明日はまだ何もない明日(スンミ) 5
先生の唇が私の唇に・・・・・・
初めて・・・・初めてのキス
アッパとオンマがしているのは見た事があったけど・・・・・・・どうしたらいいの?
「ぅっ・・・・・・・」
無意識に漏れたスンミの声に、先生は我に返ったかのように勢いよく唇を離した。
「すまない・・・・・つい・・・・」
「先生・・・・・・・」
「君があまりにも、あの頃の君のお母さんに似ていて・・・・・」
「オンマと?」
その意味がよくは分からないが、スンミはなぜかその言葉にショックを受けた。
「高校の後輩でもある君のお母さんに片想いをしていたんだ。入学式の時に新入生の中でひときわ明るい笑顔の君のお母さんに一目ぼれをした。あの時の私は、高校三年で受験勉強に入ったから話をした事はなかった。もともと海外の大学に行く予定だったから、大学を卒業してこっちに戻って来た時に誰とも付き合っていなかったら告白をしようと思っていたら・・・・・・君のお父さんと付き合っていたみたいだったから。」
嘘よ・・・・
だって、アッパとオンマは恋人として付き合った事はなかったと聞いていた。
それにその頃は大学の二年。
「実際には付き合っていたと思ったのは、私の勝手な思い込みだった。君のお父さんは、いつも君のお母さんをからかったり冷たく突き放していたけど、はたから見れば相思相愛だ。その後は、バレエ教室を開く準備も始まって忙しくしていた時に、結婚したと聞いて・・・・ハハ・・・・・告白する前に失恋したよ。で・・・・何年か経った時に君のお姉さんが、教室に通うようになって・・・・ん?誰かに似ている・・・そう、君のお父さんによく似た女の子で、会員記録を見たら父親ペク・スンジョ、母親オ・ハニと書かれていたから告白をしなくてよかったと思ったよ。」
知らなかった・・・先生はオンマが好きだったんだ。
「今でもオンマが好きですか?」
「嫌いではないが、恋愛感情はないよ。君のお母さんの目にはペク・スンジョしか映っていないし・・・・・・スンハがバレエを辞めると入れ替わりに君が入って来た時に、君がお母さんとそっくりでドキドキしたよ。」
私はオンマの身代わり・・・・・・・なのね・・・
「君には悪い事をしたよ。自分の思いで教え子にキスをしてしまって。」
嫌・・・・・謝らないで・・・・・私・・・・・・・
「私に謝らないで・・・・・・・」
言ってはダメ・・・先生は結婚をしているのよ。
「身代わりではないよ。」
えっ?
「いつ頃からだろう、君と踊っているうちに本気になってしまった。でもこれは私の気持ちだけだから気にしなくていい。私には妻も子供もいるのだから。」
告白なの?
先生が私の事を好きだと思ってもいいの?
「先生・・・・・私も先生が好き・・・・・・・ずっと好きだったの。でも言えなかった・・・・先生は結婚しているし、アッパよりも年上だから。」
もう止められない・・・私の思いはもう止める事は出来ない。
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