明日はまだ何もない明日(スンミ) 7
歳が10歳も離れていると、相談に乗ってもらったりした事がなかった。
沢山いる兄妹の中で、スンミが一番仲の良かったのは一つ年下の弟のスンスク。
恋愛の話は幾ら仲が良くても、男と女の兄弟では出来るわけがない。
「はい、スンミの好きなカフェオレ。こんなとこもオンマに似ているのよね。」
どう話していいのか・・・・・
「どんな人?スンミの好きな人は。」
言えない・・・お姉さんも知っているから、先生の事。
「好きな人はいないけど、ただね・・・一緒にバレエをしているジヨンがね・・・・・父親くらいの人が好きになったって・・・・・・」
嘘つきスンミ、仲良しの友達を使うの?
「父親くらいねぇ~。別にいんじゃない?おばあちゃんとおじいちゃんも年が離れているよ・・・・11歳離れていたかな?」
「でもね・・・その人、奥さんも子供もいるの・・・子供はね中学生だって。」
「それは諦めた方がいいな。奥さんのいる人との恋愛は、誰も幸せにはならないから。」
「そうだよね・・・・」
そうだよね、好きになる事自体間違いだよね。
「ジヨンの事よりスンミも早く彼氏を見つけるといいよ。でね・・・アッパにはあまり早く言ったらダメよ。私でもアッパは結婚すると言ったらショックを受けていたから、溺愛しているスンミが結婚したいと言ったら、寝込んじゃうよ。」
「そんな・・・・最初は普通は、この人と付き合います・・・って言うんじゃないの?」
「それはすっ飛ばすの。アッパだって大人たちの前で、付き合いたいと言わないで結婚したいと言ったのだから・・・・私はね、おばあちゃんからの案で、『子供が出来たから結婚したい』と言ったのよ。そうしないとアッパが許してくれそうにないから。」
私には無理・・・・・そんな勇気がないから。
「私も赤ちゃんが産めるかな?」
「パラン大で産むなら大丈夫。パク先生もいるし、アッパの教え子も沢山いるから。でもその前に彼氏が出来たら姉である私に話してね。」
「そうだね・・・・・夜勤明けで疲れている所ごめんなさい。私、ちょっと疲れたから休むね。オンマに言っておいてね。」
それ以来、私は家で恋愛相談を誰にもしなかった。
先生もそれ以来、私に依然と同じように接してくれた。
けれど、私の先生への思いは抑えられなくなっていた。
それは幼児クラスの子供たちの親が話している事を聞いてしまったから。
「先生・・・奥様とうまく行ってないらしいのよ。」
「みたいね・・・・お嬢様がアメリカの学校に行く事になって奥様も付いて行っているみたいで。」
「元々、先生はあまり奥様の事をお好きではなかったみたいよ。」
「まぁ・・・・・想い人がいらっしゃるとか?」
その会話を聞かなかったら、自分の気持ちも言えない昔のスンミのままだった。
たとえそれがただの噂でも、私は先生の側にずっといたいと思った。
私の事で泣いているオンマを見るのは辛いけど、先生とは別れたくない。
スンスクがミラとの愛を貫く勇気があるのだから、姉の私もこの先の苦労を乗り越える勇気を持っている。
オンマを全身で受け止めるペク・スンジョと、アッパを信じてどんな事でも乗り越える事が出来るオ・ハニの娘だから。
だから、この恋は絶対に貫きたい。
そう思っていたけれど、アッパが悩みオンマが泣いているのを見るのがこんなに辛いとは思わなかった。
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