明日はまだ何もない明日(スンミ) 50
「スンミは、サン先生とは終わったんでしょ?」
「終わったというのか、もしかしたら最初から私と先生はただの先生と教え子の関係だったのかもしれないと思うの・・・・・」
人を好きになった事は今まで本当は無かったのかもしれない。
いつも堂々として完璧なアッパを見ていたから、時々淋しそうにしているサン先生が気になるようになったのかもしれないし、いつも私に着き切りの感じのアッパから離れたかったのかもしれない。
もう私はオンマが結婚した時と同じ年齢なのに、いつまで経っても小さなスンミのままにアッパには映っていたのだろうな。
「ところで、スンミを困らせている人は、この静養所にいるのかしら?」
いきなり、話を変えられてスンミは返す言葉が出なかった。
妹思いの優しい姉だが、そこはグミ二世と言われている性格が動き出す。
「困らせて・・・・いる人って・・・・え・・・・・」
「可愛いわね。隠している様で隠せていない所が、アッパは好きなんだよね。オンマと顔だけじゃなくて、そう言う性格が!」
家族から離れ、静養所に来た事は可哀想だとは思っているのだろうが、誰もスンミが傷つく言葉を本当は知らない。
オンマとよく似ている
顔だけではなく、性格も似ている
だから父親が溺愛する
他の兄弟たちには羨ましい事だが、スンミにしたらオンマの代替え品のような気がする。
それも、欠陥製品。
ハニの様に、元気に動き回る事もなければ、身体が弱く直ぐに熱を出している。
そんなスンミをスンジョが心配でたまらないと思い込んでいる。
「スンミはもう少し自信を持ちなさいよ。オンマとそこまで同じじゃなくてもいいと思うよ。
「別に、好きでしているわけじゃないのに・・・・」
「そうよね。親から受け継いだ性格だから、どうにもならなわね。スンミは知らないかもしれないけど、私のこの性格はおばあちゃんに似ていると言われるけど、オンマにも似ているの。前はね、嫌だったよ。」
意外な姉の言葉に、俯いていた顔を上げた。
「アッパはね、スンミが一番可愛いけど、私もスアも可愛いって言っていたのを知ってる?」
知らないと言った顔をすると、スンハは父とよく似た顔を崩して母の顔を真似た。
「結局は、アッパは子供たちをオンマの分身にしか見えていないのよ。最愛の妻の遺伝子を受け継いだ、ただの物体・・・・だから私が何かしよう物なら、顔を引きつらせるの。インハが出来たから結婚したいと言った時は、アッパが絶対にインスンと結婚をさせてくれない事が判っていたから、おばあちゃんがヒントをくれた方法で計画的に妊娠したの。」
「知らなかった・・・・・」
スンハと違って、恥ずかしがり屋のスンミはそんな計画を立てる勇気はない。
「自分はダメだと思わない事よ。私はこのおばあちゃんにも似てオンマにも似た性格を直すつもりはないわ。アッパがあの性格を直したのなら考えるけど・・・・・まぁ無理でしょう。スンミが無理をしないで、その相手に心乱す事が出来るのなら、その人が運命の人かもね。サン先生は、ただアッパとは違ったタイプの大人の人だから、興味を持っただけ。大体スンミが誤解するような事をしておいて、責任が取れないのなら大した男じゃないわ。」
______ コンコン・・・
「失礼します。血液検査の結果を持って来ました。」
素直に気持ちを伝えたい相手が、検査結果を持ってスンミの部屋に入って来た。
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