明日はまだ何もない明日(スンミ) 64
グミは証拠を押さえただけではなく、直接当人に確認をしてからではないと、スンジョにうまくかわされそうだと思った。
「すみません、こちらにペク・スンミはいますか?」
「あの、どなたでしょうか?」
静養所の事務所入り口の小窓を開けて、グミはスンミに取り次ぎをしてもらう事にした。
「私、ペク・スンミの祖母でファン・グミと申します。」
年齢の割にお洒落でいて華美ではない、裕福そうに見えるグミを受け付けた人は、何の疑いもなく小窓からではなく事務所から出て来た。
「スンミちゃんのおばあ様でいらっしゃいますか?」
「えぇ、こちらにお世話になっているのに一度も面会に来る事が無くて、心配で会いに来ましたの。」
ニコニコと相手を油断させてしまうグミの笑顔はまだ健在だ。
「スンミちゃんは、畑でヒョンジャと一緒にいると思いますよ。」
「ヒョンジャと?」
さっきの青年ね。
「あっ、忘れていました。」
事務員は思い出したように、丁寧にお辞儀をグミにした。
「おめでとうございます。」
「?」
「まさかヒョンジャとお孫さんのスンミちゃんが、お互いに好意を持っていたとは気が付きませんでした。」
あら?お互いに好意?
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