明日はまだ何もない明日(スンミ) 77
キム・ヒョンジャの父はどちらかと言うとおっとりとして、亡くなったスチャンのようなタイプの男で、母の方はこういった夫にはこういう妻が付くのかと思うくらいに、グミとよく似ていると思うが更にそれにハニのそそっかしさが加わっていた。
ヒョンジャの下には歳の離れた妹がいると聞いていたが、まさかまだ3歳とは思わなかった。
「お恥ずかしいわ・・・・・ヒョンジャ一人っ子でいた期間が長くてね、ご近所ではヒョンジャの娘だと思われていたの。」
顔を赤くして頭を掻いているキム先生のお父様。
私の両親も、子供に関しては人の家庭の事は何も言えない。
だって、家は7人兄弟でスンハお姉さんの子供と一番下の双子は同級生。
それも、数分違いでわずかにスングとスアの方が歳が上。
「スンミさんも、もう少し太ったらちゃんと赤ちゃんが出来ますわよ。」
何と言って答えればいいのか私は判らなくてキム先生の顔を見たら、先生と目が合った。
どうか今の私のこの考えが、キム先生に伝わりますように。
私がまさか『これでも体重が増えたんですよ。好きで太らないのじゃないんです』なんて言えない・・・・・・
「母さん、スンミはこれでも太ったんだよ。食が細いから母さんみたいには太れないよ。」
「失礼ね、そんなに私は太っていないわよ。」
まるでスンリお兄さんとオンマを見ているよう。
さすがにスンリお兄さんの友達ね。
ヒョンジャの両親は、幼稚園に行っているヒョンジャの妹を迎えに行かないといけないからと、食事を終えると先に退席して行った。
「ヒョンジャ、私と妻は病院に寄ってスンミの弟夫妻の子供の面会とお見舞いに行くのだけど・・・・・・・」
アッパは私とキム先生と二人だけにしようとしてくれているのだとすぐに分かった。
でも、オンマは流石場に空気が読めない母親だと言ってしまいそうなほど気が利かない。
「スンミも一緒に行かない?ヒョンジャ君もスンスクに紹介したいし・・・・・・・」
「えっ?」
ヒョンジャは言葉に詰まった。
幾ら研修医とはいえ今日は仕事モードになっていない、女性病棟に見舞いに一緒に行って初顔合わせをするには戸惑ってしまう。
気にしなくてもいいのよ、スンスクはあなたに会いたがっていたから。
しつこい位にハニはヒョンジャを誘ったが、スンジョに少しは気を利かせろ。
お前はオレ達が一緒にいる時にお袋が間に入っていた時に、嫌じゃなかったかもしれないが、あまりお前が間に入ると二人に嫌われるとスンジョに言われがっかりして諦めた。
この事を後日アッパにどうしてあんな事を言ったのかと聞いた。
「オンマには言うんじゃないぞ。言うと、調子に乗るからな。」
口止め料として、またワンピースをアッパが買ってくれたのは、本当にオンマの前では冷静でいたいのだと思った。
「結婚したばかりの時も、変わらずおばあちゃんがオンマを連れて買い物に行ったり、いつも何かを話していたから、二人っきりで過ごしたいと思っても、過ごす事が出来なくて後悔したよ。オレの奥さんを独り占めをして欲しくないと。」
アッパは独り占めしていたじゃない、子供たちを放っておいていつもオンマに『コーヒーを淹れてくれ』だとか、姿を見かけないとしつこい位に『オンマはどこにいるんだ』と聞いていたじゃない。
目の前の二人並んでいる両親に声を掛けて、私はキム先生と大学に復学するための手続きに行った。
0コメント