明日はまだ何もない明日(スンミ) 89
「遅いわねぇ・・・ハニちゃん、スンミは大学の帰りにヒョンジャ君とデートなの?」
「ヒョンジャ君と会うという話は聞いていないですけど・・・・・・スンジョ君は聞いてる?」
「どうしてオレがスンミの行動を知っているんだ?」
「「だって、スンミを自分のお気に入りの学生とお見合いさせたじゃない。」」
グミとハニが同時にスンジョに言うと、二人は顔を見合わせて笑った。
「我が家の問題行動を起こす二人は、考えている事もそれを声に出す事も一緒か?」
夕食時には家族そろって食べる事が、ペク家のルールの一つ。
子供たちが成長して、それぞれの事情で遅れる時は必ず連絡をする。
一度も夕食の時間に遅れるどころか、寄り道をしないで帰って来ていたスンミが外が暗くなっても帰って来ない。
スンジョは顔色一つ変えないが、内心は心配で仕方が無かった。
ヒョンジャの転勤を知ったスンミが一人で悩んでいるのではないかと。
本人の希望だから申請を貰った時は、こんなに簡単に決まるとも思っていなかったとヒョンジャに辞令を渡す時にそう話した。
「お父さん、ミラが疲れるから先に僕たちは食事をしてもいいですか?」
「そうだな、ミレの授乳もあるし・・・スンギもスングもスアも食べなさい。」
食事を食べようとした時に玄関のドアが勢いよく開いた。
「ただいま。」
「スンミ!」
ミラの驚いた声に、他の家族は玄関のドアを見て、朝学校に出かける前のスンミとは別人のようになっていた。
「まぁまぁ、あんなに綺麗だった髪の毛をバッサリと切って・・・・・短いとスンギと間違えそうね。」
ショートにした髪型と、ジーンズにカジュアルなシャツを着ていた。
沢山のショップバックを置いて、スンミはスンジョの傍に立った。
「アッパ・・・・ゴメンなさい、遅くなりました。」
「子ども扱いになるかもしれないが、遅くなるのなら出かける時に連絡をしなさい。
「あのね・・・・・・」
言わないと
「大学、辞めちゃった・・」
スンミはその一言に神経を使っていたから、言い終わると喉がカリカリとなっていた。
「大学を途中で辞めて、これからはどうするんだ?」
「アフリカに・・・・・キム先生と一緒にアフリカに行く。」
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