スンスクの春恋(スンスク) 17

ペク家はスンスクの結婚宣言で、賑やかになって来た。

誰が一番賑やかなのかと言うと、勿論自分の出番だとばかりにグミが忙しく、独り言を言いながらパソコンで調べていた。

「お袋、ちょっといいかな?」

「何?いいわよ。」

グミの仕事場としている部屋に、スンジョとハニとスンスクが入って来た。

「今ね、スンスクの結婚式場を探しているの。スンリが6月に結婚式をするから、その前後の日柄のいい日はないかと・・・・・・」

「お袋、式場選びは彼女の両親とオレ達で決めるから、今回は口を挟まないでほしい。」

「スンジョ・・・・・どうして?スンリはオリエントコーポレーションとハンダイの会社も関係してくるからって、私の思うような結婚式が出来なかったのに・・・・・」

スンジョはスンスクに前に出るように合図をした。

「おばあちゃん・・・・・あの・・・僕の結婚する人は・・・・教育実習生だった人で・・・・・」

「まっ!年上のお嬢様なのね。お相手の方にお任せなの?」

「いえ・・・・・その・・・・・・・」

スンスクが言いにくそうにしていると、スンジョが代わりに話し始めた。

「病気療養中で、体調の変化もあり普通の結婚式はまず難しい。車椅子を使用できる会場で、あまり大袈裟にはしたくないと、スンスクが向こうのご両親と相手の女性から言われているんだ。」

「車椅子の使用できる式場なんて、簡単に探せるわ。でも、どうして大袈裟にしたくないの?結婚式は女性のあこがれの場でもあるのよ。多少お金がかかっても盛大にするものじゃないの?」

「車椅子を使用でも、相手の女性は長く生きられない病気だ。出来る限りうちと向こうの家族だけで祝いたいんだ。」

グミは想像がつかなかった。

自分の身内にも未来が見えないで結婚した人はいない。

ましてや、まだ若い孫のスンスクがそんな女性と結婚するとは想像もつかなかった。

「家の改修のために、近いうちに福祉住環境コーディネーターが見に来る。多分、一階の客間を改装すると思う。」

スンスクは父は手を貸さないと言っていたが、知らない間にこの家を改修する手配をしていた事に驚いた。

「お父さん・・・・・・手を貸さないって・・・・・」

「手は貸さないが、医師のお父さんと看護師のお母さんがいるのに、嫁いで来て女性に怪我をさせられないだろう。」

「それじゃあ・・・・お世話をしてくれる専属の家政婦さんとかを探さないと・・・・・・・」

「お母さん、私はこの家で暮らすようになってからいつもお母さんに何もかもお願いをして来ました。結婚しても仕事を続けていたので、お母さんに家事をお願いしていました。お母さんが母としてやってくださった事を、今度は私がペク家の母として、スンスクのお嫁さんのお世話をします。お母さんに大好きなお仕事を続けてほしいので・・・・・」

「大好きなお仕事って・・・ハニちゃんだって看護師の仕事は好きなお仕事だったでしょ?自分を犠牲にしては・・・・」

「犠牲じゃないです、在宅看護という仕事に就くだけです。実際には家族を看る事は出来ないのですが、ミラさん・・・・・スンスクのお嫁さんになる人ですけど、病気の不安もあるのに、うちのスンスクと結婚すると言うのは精神的にも不安になると思います。家族の私が看ていればきっと不安な気持ちもそれほどないと思うのです・・・・・・優秀な看護師ではないですけど、お母さんが私を実の娘のように接してくれた事を、伝えて行きたいの。」

ハニの思いをグミは嬉しかった。

スンジョはそんなハニを信頼しているように見つめていた。

「お袋、親父と結婚してから家族の世話をずっとして来たんだ。親父が亡くなってから18年も元気でオレ達の子供の世話もしてくれた。もう自分の好きな撮影旅行をして、楽しい時を過ごしてくれよ。オレ達ももういい年だ。お袋にもっと元気でいて欲しいから、家の事を忘れて活躍しても誰も何も言わないよ。」

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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