スンスクの春恋(スンスク) 41

支配人のお見送りに照れているスンスクと、スンスクとの初デートで幸せな顔のミラ。

伝説のレストランが幸せになる事が判るような気がした。

「あ~お腹いっぱい!」

ミラらしくなく大きな声を出した事に、スンスクは驚いた。

「知らなかったな・・・・・・伝説のカップルがお義父さんとお義母さんだなんて。それを聞いたらなんだか幸せになりそうな気がする。」

「聞かなかったら、幸せになれないのかよ・・・・・・」

「えっ?」

ミラもまたスンスクが、いつもと違う話し方をした事に驚いた。

「レストランに入ってから、ミラがまるでお母さんが話すような言い方をしていたし、さっきはお母さんが言いそうな事を言ったから、ちょっとお父さんの真似をしてみたんです・・・・・じゃなかった、真似をしたんだ。」

敬語を使わないと言うミラとの約束で言い直したスンスクを見て、ミラはおかしくてまた笑った。

「お義父さんってそんな言い方をするの?」

「してますよ・・・・・してるよ・・・・昔はもっと冷たい言い方をしていたらしいですよ・・・・していたよ。」

何度も言い直しているスンスクを見て、ミラは笑いを堪えていた。

「言いにくい?普通に話すのは・・・・」

「えっ?はい・・・・・・普段から僕はこんな風に話していたので・・・・・でも、大丈夫です。ミラに好かれるように頑張って普通に話すようにしますから・・・・話すから。」

スンスクは自分でも判っていた。

兄弟同士、姉のスンハや兄のスンリには敬語だが、一つ年上のスンミやその他の兄弟には普通に話しているのだから言えないはずはないと。

「でも、お義父さんがお義母さんにそんな風に話すのなんて知らなかったわ。いつも優しい目でお義母さんを見ているから。」

「僕達兄妹は両親からは聞いていないのだけど、おばあちゃんが言うには大恋愛ではなかったって・・・・・・・・お母さんはお父さんに片想いをしていたのだとお母さんから聞いていたんだけど、恋人期間もなく色々あって・・・・いきなり結婚したいとお父さんが言ったって言う事らしいです。」

「色々あってって・・・・・何があったの?」

「お父さんとお母さんは、その時の事は触れたくないみたいなんだけど、兄さんがソラさんと結婚を決める時に調べたんです・・・調べたんだ。お父さんがソラさんのお母さんと婚約していた事があったって・・・・・・それも金銭絡みの見合いで・・・・・・・・でも、これだけにしてください。僕は今の両親がとても仲が良くて愛し合っているからそれだけでいいので・・・いいから。」

ミラにも思い出したくない封印したい過去がある。

スンスクはそれを知っているが、全部を話すつもりもないし話したくない。

仲の良い義理の両親の触れられたくない過去は、ミラもスンスクが言いたくないのならそれ以上聞く事もしない方がいいと思った。

気が付けばいつの間にか家のガレージの前に着いていた。

スンスク指定の場所に車を停めると、いつもそうしてくれるようにスンスクはミラのシートベルトを外した。

「お義父さん・・・・・帰って来ているみたいね。」

どんな事があってもスンスクは父を尊敬している。

世間でよくある浮気だとか、酒浸りになるとかは全く縁のない父。

妻一人を愛して、子供を大切にして、母である祖母の夢を楽しませている。

そんな父は自分の誇りでもあり理想だ。

この先どんな事があっても、父のようにミラを守って行きたいと思っている。

「お義母さんただいま帰りました。」

「お帰りミラ。楽しかった?デートはどこに行ったの?」

「ハニ、人のデートそれも息子たちのデートに母親が口を出すな。」

「だって・・・・知りたいんだもの。スンスクがデートをするなんて初めてだから。」

ミラもまた義理の両親のようにいつまでも幸せでいたいと思った。

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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