スンスクの春恋(スンスク) 51

「じゃ・・・先に行ってるわね。タクシーはお昼ごろに来るように頼んであるからね。」

「判りました。スンミもそれまでには起きられると思うから、お母さんスンギとスングとスアをお願いします。」

「大丈夫よ。スンジョもいるのだから。」

三人の子供たちは、兄スンリの結婚式に参列するために、フォーマルに着替えて従弟であるウジョンと、父が用意をしているワゴン車に乗るために靴を履こうとしていた。

「スンギ、あなたがスングとスアの兄として世話をちゃんとしてね。」

「判ってるよ。頭は悪くてもそれくらいの事は出来るよ。なぁ?スングにスア?」

「頼りないお兄ちゃんだけど・・・・まぁオンマで慣れているから、大丈夫だよ。」

「どういう意味よ、スング!オンマとスンギが同じなの?」

「同じだよ。アッパが言っていたもの。オンマとスンギはそっくりだって・・・・・ね?スング。」

自分と似て頭もよくなくそそっかしいスンギ。

ただ違うのはギドンの血を引いているのか、料理の腕は祖父も認めるほどだった。

双子たちはスンハがグミ二世なら、スングはスンジョ二世。

容姿も成長するに従いスンジョとよく似て来て、スンスク程ではないが頭も結構いい。

妹のスアは、顔はハニとそっくりでも頭はスンジョに似ていて、学校の成績はいつもスングと争っていた。

騒々しく下の三人の子供たちが出かけると、ハニは朝食後に吐き気が襲って来たミラの様子を見に行った。

「スンスク・・・入ってもいいかな?」

「いいですよ。」

ハニがスンスク達の部屋のドアを開けると、トイレで吐いているミラの背中をさすっているスンスクがいた。

「大丈夫?」

「お母さん・・・・・ミラは行けないかもしれない。こんなに苦しそうにしているのに・・・・・・僕が代わってあげたい・・・・・」

スンスクの言葉にハニは、なぜか20年前の自分とスンジョを思い出した。

「スンスクはアッパと似ているね。」

「似ていますか?」

「うん、スンスクがお腹に出来た時はまだスンミが生まれてすぐだったんだけど、スンハやスンリやスンミの時と違って、ツワリが酷かったの。アッパが今のスンスクのようにオンマの背中をさすって<オレが代わってやれれば>って言ったのよ。あのアッパが・・・・でもスンスクに話したのは内緒にしてね?オンマが話した事が判ったら・・・・・考えるだけでも寒くなるから。」

ハニはスンスクが着替える間、ミラの傍に付いた。

「お義母さん、すみません・・・・・行けないかもしれないです。」

「スンハがね、点滴の用意してくれているの、ベッドで横になろうか?その前におしぼりで身体を拭いてい上げるね。」

ハニとミラの会話を聞いたスンスクは、慌てて上着とネクタイを持って部屋を出て行った。

「スンスクったら・・・・夫婦なのに恥ずかしいのかしらね。」

「お義母さん・・・・私も着替えるところを見られる藻は恥ずかしいです・・・・・」

吐いていたから青い顔をしているが、ハニが言った事で少しだけ気持ちが紛れたようだ。

ベッドに上がってパジャマを脱ぐと、ハニは熱いおしぼりでミラの身体を拭いた。

病気とツワリの所為で、ここ数日でかなり痩せてしまった。

細くなった身体をハニは優しく撫ぜるように、汗を取っていた。

「お義母さん・・・・スンスクには言わないでくださいね。」

「いいわよ、嫁と姑の内緒くらいあってもいいわよね。」

「もし・・・・もし・・・・・この子が生まれたら、ゴメンねって謝ってください。ツワリが酷いからなのか、この先頑張れるのか不安になって来てしまって。」

いつになく元気のないミラをハニは、守るように抱きしめた。

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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