スンスクの春恋(スンスク) 54

ソラさんは堂々としていてとても綺麗

私よりも二つ上なのに、肌もつやつやと綺麗で髪の毛もつやがあってサラサラしている

私と言えば、薬の副作用なのか・・・肌もカサカサとしているし・・・・・

「ミラ、大丈夫?」

スンスクは心配そうにミラの様子を伺った。

『大丈夫』と笑うと、安心したように祭壇で誓っている兄たちを見ていた。

いいな・・・・・ウェディングドレス

でも、なんだか違う。

ソラさんは私よりもふっくらとしているのに、この間着たドレスは私に誂たみたいにピッタリだった。

誓いの言葉に指輪の交換。

沢山の参列者の見守る前で執り行われるセレモニー。

おめでとうの拍手に頬を染める新郎新婦。

私が憧れたそのシーンは、自分では体験できなかった。

数人の静かに足音が聞こえて、そっと後ろを振り向くとミラの両親と二人の兄夫婦がペク家の親族の席に着席した。

「母さん・・・・父さん・・・・・」

「ミラ・・あとでね」

小さな声での会話に誰も気が付かない。

昨日から何かペク家の人たちの様子が違っていた。

ミラの体調を考えて、スンミが肌のお手入れをしてくれた。

そのスンミはミラから離れた所で、スンジョとハニと並んで座っていた。

「奥さんも子供もいる人」

スンミが言った好きな人の話。

そんなスンミの目から涙が流れている。

自分は身体が弱いから結婚できないし、アッパが私の好きな人の事を知ったら家から出してくれない。

人を好きになるにはいつなのかは判らないが、その人を好きになる理由も判らない。

私だって、四つも年下のスンスクと結婚して母になるとは思わなかった。

「移動するよ。」

スンスクが車椅子をミラの傍に持って来ると、声を掛けてくれた。

「移動?」

「うん、披露宴だって。その前に少し休んでくるようにって、お母さんから言われたよ。このホテルの最上階にペク家のと言うか、おじさんの会社が持っている部屋があるんだ。」

参列者とは別の方向にある、ペク家が持っている部屋専用のエレベーターに移動した。

「噂には聞いていたけど、スンスクの家って凄いお金持ちよね。」

「そうかなぁ・・・・僕はあまり気にした事がなかったし、ホテルの部屋は個人名義じゃなくて会社名義だから。」

高級ホテルの最上階と言えばスゥイートルーム。

ミラの家庭とは縁のない部屋。

手慣れたようにスンスクはカードキーを開けて、ミラの車椅子を押した。

「あれ?いつの間に来てたの?」

ニッコリと二人を待っていた二人の女性。

さっきまでスンリの式の時に参列していたのを見ていたのに、スンスクもミラも気づかなかった。

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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