スンスクの春恋(スンスク) 99
先生・・・・私が言った事を気にして私を見ないの?
私ね・・・・生い立ちを聞いたら、生まれて来てはいけない子供だった事に気が付いたの。
お母さんとおじさんは、私をかわいがってくれたけど、私が生まれなかったらもっと早く結婚していたのかもしれないと思ったの。
あの日、先生の家に突然行ったのは、お母さんがおじさんの家に私を連れて行ったから。
あの家に行く前に聞いていたから、初めて見るおじさんのご両親と、私の父親だという人と会うため。
おじさんのお兄さんは、遊び人っぽくてその奥さんも派手な服を着て、とてもお金持ちの人の奥さんには見えなかった。
「君が、オレとミニョンの子供か。たった一回で、出来るなんて・・・ミニョンも運が悪かったな。」
お母さんに謝らなければいけないのに、あの人は蔑むような目でお母さんを見ていた。
大好きなお母さんとおじさんは、辛そうな顔をして唇の色が変わる程噛み締めていた。
祖父母に当たる人は、そんなあの人に一言口を慎むように言えばいいのに、顔を強張らせて黙っているだけ。
トイレに立った時に、あの人と奥さんの会話を聞かなければ、こんなに自分が産まれた事に責任を感じる事も無かった。
あの人の奥さんは、二番目の人だと言っていた。
前の奥さんと離婚する前に、今の奥さんと不倫をしていた・・・・
それだけではなかった。
前の奥さんと付き合っている時に、別の女性と婚約中だった。
人としてだらしがない私の父親だという人。
私もそんな人の血が入っているのだから、きっとだらしのない人としていけない事をしているのだと思った。
そうだよね。
先生の事を好きになっていいはずはないよね。
みんなみたいに憧れとかじゃなくて、先生の奥さんが羨ましいと思うくらい先生が好きになった。
ミレから聞く先生の話を聞いているうちに、段々と好きになって。
先生の話をミレから聞きたくて近づいたわけじゃないけど・・・・・
「どうしたの?」
「ゴメンね・・・・景福宮を見ていたら、歴史上の事を思い出したら・・・涙が出て来て。」
「そうなの?」
ミレはいつも私に親切にしてくる。
ミレがとても親切だから、育てた先生をまた好きになって・・・・
「大丈夫なの?先生に言って来るから待っていて。」
どうかペク先生が来ませんように。
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