スンスクの春恋(スンスク) 121
式場?
「ん~何だったかしら・・私って時々言葉がおかしくなって・・・スンスクさんは学校の先生だから判りますよね?えっと・・・・学校の先生が調べている事を、発表をするって言ってたかしら・・」
何だ・・そう言う事・・・
「セイラさんのお父さんと僕の父が講演をする会場を探しに行った・・・と言う事ですか?」
「あら・・ま・・・会場と式場を間違えてしまったみたいね。」
外見とは違い、ハーフだから間違えたのだろうが、母と似ているというか天然なところがあった。
「父も何も今日急に言わなくてもいいのに、ここに来てから先にいらしていたスンスクさんのお父様に、小さな子供でもないから二人だけにしましょうかって・・・・」
いつも見合いを断ってばかりいたからなのかもしれない。
父が強引に見合いを進めるとは思ってもいなかった。
「セイラさんは、これは見合いだと判っていたのですか?」
「ええ・・・スンスクさんの亡くなられた奥様との経緯や、お子様がいらっしゃる事も全て聞いています。」
彼女は今まで会った女性とは違った人だ。
外見は綺麗で人形のような人だが、話している表情や時々言葉を間違えている所を見ると、まるで母を見ているようにも感じた。
母が理想の女性だと、子供の時からずっと言っていた自分が選んだ女性はミラ。
そのミラと同じ人はいないが、少しでも似ている所があるセイラさんを父が選んだのだろう。
ミラが亡くなって初めてした見合いは、僕の考えに何も言わずに受け入れてくれた。
ミレやフィマンが母親のいない寂しさを口に出し始めた頃から、自分の為ではなく子供たちの為に見合いをして再婚を考えて欲しいとよく言っていた。
でも、いつまで経っても僕の考えは変わる事はなかった。
「私達、これを機会にお付き合いしてみません?」
「随分と積極的な女性ですね。」
「だって、初めてこうしてスンスクさんと話をしても、悪い人には見えないし、私の人生をスンスクさんにお任せしても安心が出来る方だと思うの。」
これが大人の見合いだろうか?
セイラさんは積極的な女性だから、お父さんも消極的な僕が再婚をする気持ちになるように引っ張って行って欲しいのかもしれない。
ミラ、僕はどうしたらいいのだろう。
年甲斐もなく生徒のミラに君と出会った時のようなときめきを感じているのに、この積極的な人形のように綺麗な女性と見合いをして、結婚をした方がいいのだろうか。
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