スンスクの春恋(スンスク) 125
「な・・・何を言っているんですか?ミラはミレの友達で、僕の生徒ですよ。16歳も歳の下の・・・」
「お前の考えている事は判るよ。」
「お父さん・・・違います・・・・」
「ハニと似ている。お前は自分の感情を隠せないし、相手の事を思って言えない事も。深夜に会いに行ったんだろ?あの子の家に・・・」
スンジョには隠し事は出来ない。
スンミとバレエ教室の先生が付き合っている時も、スンジョに気がつかれない様に、溺愛されているスンミは出来る限り顔を合せない様にしていた。
「あの子への想いを隠して、見合いを進めていいと言ったのだろ?あれ程頑なに拒んだ見合い。お父さんが、ロイヤルホテルのラウンジで待ち合わせをする事を約束させた時に、お前はどうしてなのか気がついていたはずだ。自分の心を偽って見合いをするとは思いもよらなかった。」
父にはどんな事でも隠し事は出来ないし、誤魔化す事も出来ない。
「さっき、ミラの元婚約者が家の前にいました。ミレもフィマンも一度会ったみたいですよ。」
「どうして今頃、うちの前に来たんだ?」
「ミレの友達のミラ・・・・あの子は、彼の子供です。」
スンスクは、父にミラの生い立ちをあまり話したくなかった。
「でも、あの子は母と二人暮らしだと・・・・」
「暴行された時に出来た子供だと聞きました。それとは別に、彼女とはこれ以上距離を近づきたくないです。」
「なぜ?」
それを聞かなくてもスンジョには判っていたが、スンスクの口から聞きたかった。
「彼女には何の責任もありませんが、僕が愛したミラと婚約までしていたのに、病気の事をきっかけに破談にして別の女性と結婚した。その女性とは結婚前に子供が産まれて、そのまま落ち付くかと思ったら、別の独身の女性とまた深いつながりに・・・・ミラを救うべき婚約者が、ミラを裏切って・・・・そんな事情があるのに、僕はミラを苦しめたあの男の事を思うと、彼女とは近くにはなれません。セイラさんとは、結婚したらちゃんとやって行けそうだから、話を進めてくださいと言ったのです。」
初めての見合いに、早めの結婚式
ミラとの事がなければ、素直に見合いをする事も無かった。
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