スンスクの春恋(スンスク) 150
「スンジョ君、ミレに元気がないみたいだけど・・・・」
「ミレが?」
「スンスクは今日はセイラさんと外泊すると聞いたけど、何か悩みがあるのなら孫の相談を受けた方がいいわよね。」
「リビングに来るように言ってくれるか?」
既にベッドの中で横になっていたスンジョに、風呂から上がったばかりハニはスンジョに心配そうに聞いて来た。
ミレもフィマンもスンスクに似ていると言うのか、自分で抱え込んで悩んでしまうところはスンジョと似ていた。
リビングの照明の明るさを少し落として、スンジョはハニがミレを連れて来るのを待っていた。
「おじいちゃん・・・・」
「悩みがあるのか?」
リビングで話をするほどの事でもないが、出来ればフィマンには聞かせたくない話しでもあった。 「フィマンなら、この時間は寝ているはずだ。」
中学生のフィマンは9時には眠っている事が多いし、起きていてもイヤフォンをして音楽を聞いているから、ここで話をしても聞こえることはない。
悩みを話して見なさいと言われても、どう話していいのかも判らない。
「お父さんとセイラさんの事か?」
「お父さんが外泊した事なんてないから・・・・・・」
「式は挙げるけど、学校の長期休暇の時期じゃないから、一泊二日でお母さんのお墓参りに行って二人で過ごしているよ。」
ハニはまだ子供のミレに、スンジョがはっきりとスンスクとセイラが一泊して来る事を告げた事に、ハラハラとしてスンジョの横で聞いていた。
「ミレは、セイラさんとお父さんが結婚をするのが嫌なのか?」
嫌じゃないとははっきり言えないし、セイラのような綺麗な女性が母親になってくれるのは嬉しいが、思春期のミレには複雑な事だった。
「別に嫌じゃないけど、お父さんが再婚をしたら私とフィマンはどうしたらいいの?それに友達のミラだって・・・・お父さんの事を好きだったんだよ。もうひと月も学校に来ていないし・・・・」
ミラは自分を傷つけたあの日から学校に来ていない。
それなのに、出席を取る時にもミラの名前をスンスクが言わない事を不思議に思っていた。
「お父さんは、お母さんが命を懸けて生んだミレとフィマンを、自分の元から離したりしないよ。それと、ミレの友達のミラの事が気になるのならお父さんが明日帰って来た時に聞いてごらん。」
スンジョは先日、入院した時のお礼に訪れたミラの母親ミニョンから、今後の自分たち母娘の事に付いて聞いていた。
勿論、スンスクも同席していたから話は聞いているが、内密にしてほしいと言う約束をしていた。
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