スンギはミルクティー 6
勉強が嫌いだから大学に行きたくない 勉強=国数理・・・・・だと普通は思うしオレもそう思っていた。
お母さんが『頭が悪くてごめんね。顔だけじゃなく頭まで似ちゃって』言ってそう泣かれた時、自分が恥ずかしかった。
お母さんはよく言っていた。
「一秒後も一分後も今よりも先は初めての事だから、毎日が勉強。学校の勉強は答えが見えるけれど、毎日の生活の中の勉強は見える答が無いから、人生って勉強をずっとして行かないといけない。」
そんな悩みやら、よく理由が判らない毎日も、スンミの事で慌ただしくてアフリカに行ったり来たりしている両親に、相談したい事があっても聞いてもらう事も出来なかった。
スンリ兄さんまでオレの進路の問題に入ってくれてたから、少しだけ悩んでいる事が解決した気がする。
春休みの少し前に、進路指導の用紙を提出した。
そんな春休みに家の中はバタバタとしていたが、ミレの日々成長する様子を見ていたら、あっという間に高校三年に進級していた。
中学一年からずっと変わらない7クラスだけど、なんだかいつもと違った高三の年が始まった。
高校三年になって初めての登校は、いつも賑やかな7クラスがいつも以上に賑やかだった。
「おはよう。何かあったのか?」
「転校生だって。イギリス人とのハーフのすっごい美女みたいだ。」
「ふぅ~ん。」
気のない返事をしたが、オレだって普通の高三の男子。
女の子には気になる年頃だ。
「みんな座ってぇ~、今日は転校生がいるの。紹介するわね・・・・・入って。」
ニッコリと笑ったその転校生は、どこかで見たような気がした。
「初めまして。イギリスから来ましたポン・マリーです。これから仲良くしてください。」
どこかで見た事があるような、そんな気がする転校生との初顔合わせ。
「うふっ・・・・・やっと会えたね。」
空耳なのか、一列空けて斜め後ろの方から伝わる視線。
スンギは一度ブルッと体を震わせた。
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