スンギはミルクティー 13
尻餅をついて折ってしまった新芽。
花も元気が無かったら『大丈夫大丈夫』と励ましてあげると元気になるんだよ スンギも友達と喧嘩をしたり、悲しい事があると『大丈夫だよ大丈夫だよ』って言うと元気になるでしょ?
泣かないで、スンギは笑った顔が一番カッコいいよ
誰が言ったのかな? 夢を見るような言い方で、幼稚園から泣いてククスのじいちゃんの店に行った時に慰めてくれた。
お母さんだったはずなのに、よく覚えていない。
魔法にかかる呪文のような言葉に不思議と涙が止まった。
「おいオレの可愛い人参よ。親であるペク・スンギの尻で潰して悪かった。どうか持ちこたえてくれよ。これからの人生辛い事もあるし楽しい事もある。泣く日もあれば笑う日もある。今日の痛みは今よりも強くなれと神様が与えてくれた試練だ。」
フワリと頬に温かい物が触れた。 甘い香りにピッチャーにたっぷりの練乳。
「スンギ、詩人だねぇ~スンスクに教えてもらったの?その呪文。」
「呪文?」
「泣く日もあれば笑う日もある・・・・・試練だ・・・・」
「お母さんが昔、オレが幼稚園からククスのおじいちゃんの店に泣きながら行った時にそう言ってオレを励ましてくれて、甘い練乳をミルクティーに入れてくれたんだよね。」
ハニはスンギの言った事を覚えていないのか、眉間にしわを寄せて思い出そうとしても思い出せず・・・・・・重要な事は忘れてしまうが、大した事ではない事は覚えているハニ。
フッと思い出したのは、一度だけスンギがギドンの店で泣き疲れて眠ったからと迎えに行ったことがあった。
「その呪文、お母さんが言ったのじゃないし、ミルクティーを入れたのもお母さんじゃないわ。」
「お母さんじゃないって・・・・でも、あの頭に残っている声は女の人だったよ。」
「ああ~あれね、あの時の事ね・・・・・フフフ・・・・・・今思い出してもおかしい・・・・・・・・」
何が可笑しいのか、スンギにはサッパリと判らないが、あの覚えている声は母の声ではない事を知った。
「言ったのは誰だったの?」
「あのね・・・・」
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