スンギはミルクティー 25
別れ話をするために会ってくれたのか?
冗談じゃない!
オレは別れるつもりはないぞ 鬱陶しいと思ったけど、それは長い間5人兄弟の一番下で、どちらかと言うと構ってもらったことが無いからそう思っただけで
どんなことがあっても、マリーはオレから離れて行かないと思っていたから
「待てよ!」
スンギは思わず追いかけていた。 朝一番の作業を終えて急いで来たから、手に付いた泥をしっかりと洗い落としていない。
「離して・・・・」
白いブラウスを掴んだ辺りにドロが付いたが、マリーはそれを取ろうとしなかった。
「オレの言いたい事、話したいことは聞く気はないと言う事?」
一緒に歩いていたマリーの友達は、無愛想ではあったがあまりかっかとした姿を見たことのないスンギの態度に驚いた。
「先に行ってるね。」
「あっ・・・・・」
マリーは気を効かせてくれている友人には申し訳ないが、スンギと二人っきりになるには気が引けた。
「昨日、オレがしたことでじいちゃんの店の2階を出る事にしたのか?」
「昨日したことって・・・・・・キスの事?」
「そんなこと、人がいる所で言うなよ。」
「違う・・・・今までしてほしいなと思ったことはあったし、私からしようかなと思った事もあったけど、スンギは私の事が好きじゃないのにしたのは、からかっているからでしょ?私がしてほしいのは、ちゃんと恋人として付き合ってからしてほしいと言う夢だったのに・・・・・それにね、本当の事を言うと私のパパはペク家の男子とは付き合って欲しくないって言っていたから、だからこれ以上もう私が言う事は何もないわ。」
少し伸びかけたショートカットのマリーの髪が顔を隠していて、本当の事を言っているのかよく判ら
ない。
もう追って来ないことが判っているから、マリーは先に歩いて行った友人に追いつく様に急いだ。
「いいの?ペク・スンギまだマリーの事見ているよ。喧嘩したんでしょ?謝って来たのなら許してあげれば?」
「いいの、私たち元々幼馴染なだけだから、喧嘩してそれっきりでもいいの。」
「ふぅ~ん、二人が一緒にいる姿、けっこう似合っていたのに。」
嘘つきマリー パパはスンギのママが昔好きだったから、スンギのパパを見ると『もっと早くハニに告白しておけばよかった』とそう思うと言ってはママに怒られていた。
別にペク家の男子とは付き合ってはいけないなんて言わない。
だって、ギドンおじさんの店の2階の部屋を借りる時は、パパがおじさんの所なら安心だと言ってい
たから。
スンギと私は小さい時からよく遊んでいたから、スンギにとってはただの幼馴染にしか映っていなか
った。
幼馴染から恋人に変わる人がいるけど、スンギに関してはいつまでも幼い頃に一緒に遊んだマリーとしてしか私は存在していない。
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