スンギはミルクティー 30

「行ってらっしゃぁ~い!」

 「スンギ、マリーちゃんは可愛いから誘拐されないように、ちゃんと手を繋いで行くのよ。」 

お母さん・・・・オレ達大学3年だぞ。

 お母さんが結婚した年齢と同じで、誘拐されないように手を繋げ? ガキじゃないんだよ。 

「おい!ペク・スンギ!ペク家の男は手が早いから、マリーに変な事をするなよ。」

 「パパ!私は子供じゃないんだから・・・」 

オレのお袋とマリーの両親は、同レベルなんだよな。 

いつまでも若いというか、子供をガキ扱いをして。 

こういう時のお父さんは嫌いじゃない。 黙って見ているだけでも、ちゃんと子供を信用してくれてい

るようで。 


ふたりを見送る3人の大人たちのテンションの高い声に、スンギとマリーは恥ずかしいのか顔を赤く

していた。

 アルコールで酔っているのはジュングだけで、マリーの母のクリスとスンギの母ハニは素面(しら

ふ)でも、二人が仲良く出て行く様子が嬉しくて仕方がなかった。 


「相変らず私の両親とおば様は気が合うみたいね。」 

「全くガキ扱いしやがって。」 

「しやがってって・・・スンギだってガキじゃない。今でも練乳入りのミルクティーを飲んでいるん

でしょ?」 

「なんで知っているんだよ。」

 「なんでって・・・・・だって・・・・・」 

ああそうだった。

 オレはミンと、マリーは彼氏と再会した時にいたんだった。 

「別にいいだろう。」 


何年振りだろうか、こうして並んで歩くのは。

 あの時まではマリーはこうして歩いていたっけ・・・・・ 

あの頃に比べると、マリーは大人っぽくなったな。 


「初めて並んで歩いたね。」

 「初めてか?」 

「ええ・・・・」

 ええ・・・・・ 前は子供みたいにポンポンと跳んで、うんと言っていたのにな。 

「以前はスンギが先に歩いて行くから、追いかけて付いて行ってばかり。話も聞いてくれなくて、私

嫌われているのかなって思っていたの。それでもスンギと歩きたくて・・・・・・・あの日のキ

ス・・・・・嬉しかった。」

 嬉しかったんだ・・・・・・あの時マリーは右手を挙げたから叩かれるのだと思った。 

「どうして謝ったの?」 

「急にキスしたから、マリーに叩かれると思った。お前さ・・・右手を挙げただろう・・・・・」 「右手?・・・・・・」 


2年も前のあの日の事を思い出そうと考えているマリーがいきなり手を口元に持って行って笑い出し

た。

 「あぁ・・・あれね・・・・・スンギと少しでも長くキスをしていたかったから離れないようにしがみ付こうと思って・・・・・・」 

あの頃のマリーなら、よく考えればそういう事をしそうな行動だ。

 「そ・・・・そう言えば・・いいだろう。」 

「言えるわけないでしょう?スンギの口で塞がれているのに・・・・あの時に謝ったから、あのキスは後悔しているのかと思っていた。」 

だからあの後からマリーは急に落ち込んで話をしてくれなくなったのか。   

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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