スンギはミルクティー 31
子供たちが外に出てからは、親たちは落ち着かなかった。
正確にはスンジョ以外の三人が騒いでいた。
「あの二人・・・・うまく行くかしら?」
「小さい時は同じ年だからと言うわけでもないけど、よく一緒にいたわよね。」
「本当ね・・・・・パパ、何をイライラしているのよ。」
「複雑なんだよ。ハニの息子と思えば、報われなかったオレの想いが報われるが、ペク・スンジョの息子だと思うと・・・・」
まだ結婚するどころかお互いに付き合っているわけでもないのに、ジュングは一人娘のマリーの事が心配でならなかった。
ただ一人スンジョだけはスンギが自分の心に素直になって、思いを伝えることが出来る様にと思って
いた。
並んで歩いていても、微妙な歩幅で、マリーは時々小走りしていた。
二年前とは違うスンギの姿を見ながら歩くのが嬉しくて仕方がない。
「ねえ、散歩って・・・どこまで行くの?」
「どこまで行こう・・・・・・」
「この先は公演しかないわよ。」
「じゃあ・・・公園に・・・・・」
公園か・・・・・ 逆にこの時間の公園の方が、誰もいなくていいかもしれない。
自分の想いに素直になって、あの時の事を謝ろう。
謝ってはいけない。
「ここに座るか?」
「ここに?」
「ここ」
昼間に成人した二人のその姿を見れば不釣り合いでおかしいその場所は、小さな子供が好きな動物の
遊具。
ベンチで隣同士に身体をくっつけて座るよりも、小さな遊具に座って少し離れていれば、緊張が伝わ
らないだろう。
「オレさ、マリーの事が好きだ。ただ、自分に自信が無くて、人に嫌われたらどうしようといつも思っていた。双子が生まれるまで兄弟の一番下で、兄さんや姉さんの後に付いていたから、お前のその思うままに表現する行動に戸惑っていた。ずっとキスしたい見つめていたいと思っていたから、じいちゃんの店に行ってお前を見ていたんだ。あの時に謝ったのは、いつも素っ気無い態度を取っていたから、いきなりの行動に後悔したけどふざけてしたわけじゃない。あれからも今もマリーが好きだ。もし嫌じゃなかったら、昔の様にオレの傍にいてくれないか?」
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