スンギはミルクティー 33

二人揃ってマリーの家に帰る前、公園で自分の想いを勇気を出して伝えたスンギとマリーが何をしていたのか。

 それは二人だけの秘密にした。 

まさかあんな事をしていたなんて、とても人に言える事ではない。


 「覚えてる?」

 「何を?」 

「この公園だったよね。スンギは泣き虫で、いつも幼稚園で泣かされていたあの頃、もっと強くなるのにはどうしたらいいのだろうって、ブランコに腰かけてユラユラして・・・・・・」 

あの頃はまだ双子の弟と妹は生まれていなかった。

 五人兄弟の末っ子で、すでに一番上のスンハはパラン大医学部の学生で、スンジョが使っていたマンションでひとり暮らしをしていた。 

ペク家の家では、長男のスンリが兄妹のまとめ役をしてその下に続くスンミ・スンスク・スンギがその兄の指示で行動を取っていた。

 仕事で家を空けることの多い母に変わって、スンリが泣き虫のスンギの相手をしていた。

 5人の子供たちは性格が全員違う。

 仕事に出かける母に甘えたくてよく泣いて困らせ、幼稚園に行けば自分を守ってくれる兄や姉はいず、メソメソとしているからからかわれては泣いていた。 

そんな時に、イギリスから帰国していたジュングとクリスの一人娘マリーと知り合った。


  髪も短く男の子に負けないくらいに活発なマリーは、スンギが苛められると助けに入って来てくれ

た。 

二人の両親が知り合いだったこともあり、幼稚園以外でもよく一緒に遊んでいた。 

この公園は、幼稚園から帰って夕方ハニが迎えに来るまで一緒に遊んでいた場所。


いつもいつも泣いてばかりのスンギを、どうしたら泣かなくなるのかと考えたマリーは、ブランコを漕いでどっちが空に近い所まで行けるかと言う競争をすることを言い出した。

 「あの時の怪我の傷・・・・・残ってる?」

 「残ってるよ。ほら・・・・・」 

スンギは髪の毛を少し分けて、あの頃に怪我をした所を見せた。

 怪我をした所だけが、髪の毛が生えていなくて傷跡が盛り上がっていた。 


「尻と頭にマリーに付けられた傷が残ってるよ。あの頃のお前は男みたいにお転婆だったな。」

 「スンギが守ってくれそうにない程、弱虫だったからよ。」

 「あの時よりは大人になったから、お前に勝っても手を離さないぞ。」 

「競争するの?私スカートを履いてる・・・・・・」

 「誰も見やしないし、街灯の灯りでは人が通っても判らない。」 


公園で、まさか幼稚園の時にしていた、ブランコ漕ぎの競争の事をとても親たちには言えなかった。


ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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