スンギはミルクティー 49
「オンマ、お兄ちゃんまだ帰って来ないねぇ~」
「そうだね、きっとまた飲みに行っているのよ。」
ハニは知らない。
スンギがマリーとの未来を考えて、好きなタバコもアルコール類も止めた事。
昼過ぎから雨の降りも警報が今にも出るのではないかと言うくらいに強い降りになっていた。
「スンジョ君、スンギの授業って午前中一時間だけなのにまだ帰って来ないよ。」
「大学の友達と遊びに行ったのじゃないのか?スンギは友達が多いから。」
「友達が多いって・・女の子ばっかり。スンジョ君は女の子とそんな風に遅くまで遊んだりしなかったのに・・・・・何かあったらどうするつもりだろう。」
「大丈夫だ。スンギはちゃんと対策を取っているから。」
「対策って・・・」
「スアとスングの前では言えない事だ。」
興味ありげに父の顔を見ているスアは、赤くなっている母の顔を見て聞き出したそうにしていた。
「そんな・・・話、スンギといつしたの?」
「もうだいぶ前だよ。複数の女と付き合うなら、対策をしておかないとあとで困る事になると言ったら、ちゃんとしているから大丈夫だと言ったよ。」
サラッというスンジョの言葉に、ハニは胸がドキドキとしていた。
スンギの帰りを心配するハニと、特別に心配している風でもないスンジョ。
「あっ!電話だよ、オンマ。」
「スア出てくれる?」
「え~」
電話に出るのを面倒そうにしているスアが立ち上がった時に、丁度スンスクがミレとフィマンの食べ終わった食器を持って部屋から出て来た。
「お母さん、僕が出ますから。」
スンスクの少し開いている部屋の奥で、ミレとフィマンがパジャマに着替えている様子が見える。
ミラが亡くなってからも、まだスンスクはミラと暮らした部屋で忘れ形見のミレとフィマンと一緒に
眠っていた。
「あっ・はい・・はい・・・直ぐにそちらに伺います・・・申し訳ありませんがよろしくお願いします。」
慌てる事のないスンスクが、電話を切るなり新聞を読んでいるスンジョの前に来た。
「どうした?」
「スンギが、マリーさんの家で倒れたそうです。」
「倒れた?」
「かなり熱が高くて、歩く事も出来ないみたいです。」
「朝は元気だったのに・・・・・・」
「とにかく直ぐに迎えに行かないといけないな。スンギが倒れるのなんて滅多にないから。」
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