スンギはミルクティー 51
スンギが自分の気持ちを告白した安心感で倒れたとペク家に連絡があった。
まさか親子二代で同じような告白をするとは、スンジョは思わなかった。
ハニとジュングの間に何があったかと、まだスンハも生まれていない新婚の時に聞いた事があった。
ハニは『ジュングのキャラ』だと言って誤魔化していたが、何かあるとずっと思っていた。
38年も気にしているなんてオレらしくないが、ジュングとハニのクラスメートとして過ごした時間に自分が共有できない寂しさが言わせた言葉だ。
「スンジョ、スンギはマリーの部屋で寝ているわ。」
ポン家に着くと、クリスはスンギが眠っている部屋に案内をした。
熱で魘されているスンギの傍を絶対に離れないと、マリーが身体全体で表しているように見えた。
その姿は、足を骨折した自分をハニが付きっ切りで看護してくれたあの時のハニを思い出した。
「マリー、看病ありがとう。今から病院に連れて行くから、心配しなくてもいいよ。」
スンジョに声を掛けられて振り向いたマリーは、目に涙を溜めていた。
「おじさん・・・・・」
「スンギが両親の前で告白をしたんだって?」
コクンと頷くマリーは嬉しそうだ。 小さい頃子から二人はいつも一緒に行動していたから、当然そのまま付き合って結婚をしたいと思ったはず。
ハニが生んでくれた息子だから、出来れば信頼の出来る人の子供との結婚を望んだ。
スンハとスンスクは自分で伴侶を選び、何の繋がりなのか運命なのか、オレと見合いをしたヘラの娘のソラと結婚をしたスンリ。
ハニにプロポーズをしたジュングの娘マリーとスンギは何年か後に結婚をする。
「スンギ、起きれるか?お父さんだ。」
「あ・・・・」
起き上って頭を押さえているスンギはかなり辛そうだ。
「お父さん、オレ・・・マリーに・・・」
「聞いたよ。その話は後で・・・病院に行って点滴を打てば楽になる。それからお母さんと話をしよう。」
5時間も雨に濡れて待っていたスンギ。
お前は、諦めないで片想いを実らせたオレの最愛の妻とよく似ているよ。
それまでは散々泣かせたから、結婚を決めてからはハニを一生大切にすると、そう思わせた事は今の家族としての幸せになるための通過点だった。
「マリーがスンジョの息子に奪われた・・・・・」
スンギを支えてマリーの部屋から出てリビングに行くと、ジュングが酒を飲みながら一人で呟いてい
た。
「いい加減にしてよ。いつまでハニを追いかけてるの!あなたは私と言う妻とジョージとマリーと言う子供の父親よ。」
飲むと今でもハニがオレにとられたと言うジュング。
オレの息子だけどハニの息子でもあるんだ。
「クリス、今度はハニと三人で来るから、その時はジュングに酒は出さないでくれるか?」
「勿論よ。私たち親戚になるのだから、今以上に仲良くしましょうね。」
肩を貸して歩く息子も、泣き虫スンギと言われていた幼い頃のひ弱な身体から、今は父と変わらない背丈になり頼れる青年になった。
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