言えない恋じゃないけれど(スア) 2

「ほら、ペクさん家(ち)の綺麗な双子が通るわ。」

 スンジョに似たスングと、ハニ似ているスアが通ると近所の人はそう言って双子をしばらく見ている。

 「慣れたとはいえ、人に見られるのは時としては苦痛だな。」 

「そうだね・・・・実はオタクだって知ったらどう思うかなぁ・・・アッパもオンマもきっと呆れていると思うけどね。この間なんかね、オンマがこう言ったの。『年老いた時に出来た双子だから子育ては大変だったの。時代も違うしインハも一緒に育てたのに、どうしてうちの子供だけオタクになったのか』だって・・・・オタクでもソフトなオタクだけどね。」 

「まぁな、コスプレをするわけでもなく、ただミナおばさんのweb漫画,とコミック誌を愛読しているだけなんだけどね。」

 子供が何をしようと、スンジョは何も言う事は無い。


 間違いが起きて、それが人道的に間違った事でなければその間違いを自分で正せばいい 


それがスンジョの考えで、ハニはそれに意見を言う訳ではなく無条件に従う ハニにしたら、スンジョの考えが一番正しいといつも思っているから。

 ペク家というブランドで永年苦しんでいるスンギを見て、よく家族のいないところでハニが泣いている姿を双子たちは見ていた。 

「スンギ兄さん、マリーさんといつ結婚するんだろうね。」 

「さぁ・・・」 

「さぁって・・・他の兄さんや姉さんは皆学生結婚なのに、スンギ兄さんだけ24歳になっても結婚しないよ。」

 「いいんじゃね?」

 「スンハ姉さんやスンリ兄さんみたいにデキ婚するのかなぁ~」

 「放っておけよ・・・少し集中させてくれ・・・・」 

タブレットで必死になって好きな作家の最新作を見ているスングにしたら、いくら双子で考えが同じでも、女の会話を聞いている気にもなれなかった。  


「アッパが言っていたでしょう。歩きタブレットは止めろって。やっとおでこの痣が消えたのに・・・・・・」

 スングは歩きタブレットを止めることが出来ず、数週間前に足元の空き缶を踏みバランスを崩した時に電柱におでこをぶつけたのだった。

 その時も自分の身よりも、買ったばかりのタブレットを庇い道路にカバンの中の物を散乱させた。 

「判ったよ。お父さんに言うなよ。行ったらスアの秘密もばらすからな。」 

「言わないで・・・絶対に言わないでよ。」 

スアの秘密・・・・ ひと月前からスアは10歳も歳の離れたweb漫画家のマネジメントをしている一人の男性と付き合い始めた。 

進学を控えている高校3年のこの時期に、普通は恋愛さえも控えようとするのだが、スングもスアも父であるスンジョの頭脳をしっかりと受け継いでいた。 

スンスクがパラン高校を出てから随分と経つが、1位がスングであったりスアであったり、不動の1位と2位を二人の名前が時々変わる成績表であった。   

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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