言えない恋じゃないけれど(スア) 40
「コンビニに寄るけど、スアはどうする?」
「付き合うよ。」
別に欲しい物は無かったけど、先に家に帰っても今日はアッパとオンマは入院中のおばあちゃんの所に行っているし・・・・・・
雑誌コーナーを何気なく見ていると、一冊のスキャンダル雑誌が目に留まった。
タレントのミニョン(29)がシングルマザー
表紙に大きく書かれたそのスキャンダル雑誌をラックから取り出した。
ギルの過去をスングは知らない。
スングがどのあたりで商品を見ているのか確認をすると、急いでその雑誌をレジに持って行った。
「3500ウォンです。」
「袋はいりません・・・・」
精算を終えると急いでそれをカバンの中にしまった。
「何を買ったんだ?」
後ろからカバンの中をスングが覗き込むと、驚いてカバンを床に落とした。
「女の子の雑誌よ・・・・・・」
「お前が雑誌を買うなんて初めてじゃないか?後でオレにも見せて・・・・」
「だから、女の子のだって言ったでしょ・・・・」
「いいじゃん、お前だってスンリ兄さんの置いて行った青年誌を読んでただろう。巨乳タレントのミニョンの写ったビキニの写真。」
ギルからミニョンの事を聞いた時に、スンリの部屋に置いてあった青年誌の事を思いだし、それを見たことが数回あった事に気が付いた。
「読んだらね・・・・あ・・私、先に帰ってやる事があるから行くね・・・・・」
どんなに急いで帰っても、自分が家に着いてもすぐにスングが帰って来る。
門の鍵を開けて、少しでも時間稼ぎをしようとまたすぐに鍵を掛けた。
ポーチにつながる階段を上り終えた時に、スングが門の扉をガチャガチャと開けようとしている音が聞こえた。
「何だよ!すぐにオレが帰って来るのを知ってるのに鍵を掛けたのか?」
そんな事に応えていたら、雑誌を一人で見る事が出来ない。
玄関の鍵も閉めて、急いで自分の部屋に入り部屋の鍵も掛けて、カバンの中から雑誌を取り出した。
「この雑誌を見ても、ショックを受けちゃダメよ。ミニョンさんが・・・・ミニョク君の事を公表したのならギルさんとの事も・・・・・・」
震える手で、記事の事を書かれているページを開いた。
ギルのベッドルームに置かれていたフォトスタンドの中のミニョンと変わらずに綺麗な笑顔でインタビューを受けている様子が掲載されていた。
ただ、気になったのはそのミニョンの身体。
誰がどう見てもお腹が大きかった。
Q:まず今回の事を公表したのはどうしてですか?
A:出産予定日に近づいたので。
Q:生まれてくるお子さんの父親は教えてくださいますか?
A:一般の方なので、名前は言えませんが、その前に大事な事を伝えなければいけなくて。
Q:大事な事とは?
A:この生れてくる子供の前に、一人子供を生みました。
「ミニョンさん・・・・・話しちゃった・・・・・」
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