言えない恋じゃないけれど(スア) 68
「サンキュー」
「どういたしまして。」
「スンハ姉さん、私には買ってくれないの?」
「スアは、私の化粧品を勝手に使ったからね。あれはスングの本よりも高かったかんだから。」
傍から見れば親子のような三人。 親子のような三人でも、時折ふざけたり冗談を言っている様子で、親子ではないと判る。
「姉さん、どうしてオレを怒らないんだよ。オレよりも自分の息子の事が大切じゃないのか?年上の妊娠している人妻を・・・」
「いいのよ。インハは彼女がいない事も判っているし、スングとスアは弟と妹でも、私の子供と同じ・・・・・私が結婚する時は、まだスンリやスンスクにスンミにスンギは生まれていたけど、あなた達は予定日よりも早く生まれたけど、インはと同じ日に産まれたから私の子供と一緒よ。一番上の姉なのにお手本になる姉ではなかったから。」
「どういう事?」
スアとスングにとって、姉のスンハは自慢の姉だと思って逆らう事は一度もなかった。
父と同じ医師になったからではなく、産婦人科ではパク先生の後継者として世間からも病院からも注目を浴びている。
お母さんとも仲がいいし、お手本になる姉ではないと言う事がよく判らなかった。
「お父さんは、姉さんに医師としても信頼しているんじゃないの?」
「医師としてはね・・・・・娘としては、とんでもない娘だと思っていると思う。インスンとどうしても結婚がしたかったから、計画的に妊娠したからね。」
「インハの事?」
「そう・・・・当時、アッパが家で子供たちがいるから仕事に集中したい時に使っていた部屋を借りて一人暮らしを始めたの。そこにインスンを呼んで・・・・ナイショよ・・・・この日にしたら子供が出来るから、私と結婚したいのなら・・・・・って嫌がるインスンと避妊をしないでエッチしたのよ。」
あっけらかんと話す姉に、さすがのスアもスングも恥ずかしくなり顔を赤くしていた。
「ちゃんとアッパに言えば、結婚させてくれたんじゃない?」
「そうかもしれないけど、インスンとは高校時代からアッパに隠れて付き合っていたけど『娘はオンマの分身と思っている』といつも言っていたから、反対されたらどうしようかと思って、もし子供が出来たら結婚を反対する事は出来ないだろうと思って・・・・・・・子供が出来たから結婚したいって言った時は、あのアッパがかなりショックを受けてお酒を飲んで酔っ払ったってオンマに聞かされて、さすがに悪い事をしたなと思ったわ。偶然にもインハとあなた達が同じ日に生れて、アッパとオンマの子供として遅い年齢で生まれたあなた達が、将来恋に悩んだ時は私がオンマ達に変わって聞いてあげようとずっと思っていた。何も知らない人は沢山子供がいる事で、幸せな家庭と思うかもしれないけど、恋愛期間も無いまま21歳で結婚した両親に、遅い恋人期間を作ってあげたいじゃない。」
姉さんの言うとおりだ。
オレとスンアは気にもしていなかったけど、スンリ兄さん以外の所の子供は、よくお母さんが不器用ながら一生懸命に面倒を見ていた。
スンスク兄さんはミラさんが亡くなったから仕方がないが、スンミ姉さんはの所には海外にいるから時間を作っては、子育てと家事を手伝っていに行っていた。
「スングとスアは私の可愛い弟と妹でもあるけど、オンマが忙しい時は私がオムツを変えてあげたんだからね。インハのつ・い・で・に。」
少々恩着せがましいスンハらしい言い方だが、自分子供と同じように、本を買ったり服を買ったりしてくれた優しい姉だ。
「兄妹みんなが幸せになるためには、辛い恋はしないでね。スンミも色々あったけど、今はとても幸せみたいだし、スングもスアもまだ高校生なんだから、先を急がないでゆっくり進みなさい。ペク家は結婚が早いけど、スンギはそんなことなく、自分が仕事が落ち着いてから結婚したでしょ?オンマとアッパが出来なかった恋愛期間を、あなた達は楽しみなさい。」
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