未来の光(スング) 11 

「そ・・・そうなの?で、部屋に入って何分くらい経ったの?・・・・鍵はかけていないですよね・・え・ええ・・・・・で、どんな様子?」 

いったい何を聞いて話をしているのか。

 声を潜めたり、若い娘のようにはしゃいでいるハニ。 

日曜日の昼食前の静かな時間・・・のはず。 そのハニのにぎやかな会話に、まるで息を潜めて座っているスンジョとスンスクとミレとフィマン。 


「で・・・・・何を話しているのか?・・・えーっ、ひそひそ話し?変な事をしていない・・・・勿論、その時はお願いね。じゃぁ・・・・・あとから様子を教えてね。」 

電話を切ると肩を震わせて笑っているハニは、両手を叩いて喜んだりまた笑ったりとしていた。 

「おばあちゃん、お腹が空いた・・・・・・・」 

フィマンの言葉に時計を見ると、まるでフィマンの体内時計と時間の誤差が存在しないくらいに合っていた。 

「結構話していたみたいね。」 

「何か面白い事でも話していたんだな。オレ達の昼食と、お袋の食事も用意しない位に。」

 スンジョの嫌味さえ今のハニには気にもならないくらいに、琴葉からの電話の事で気持ちがウキウキとしている。 

「だってね、スングが女の子を部屋に通したって。」 

琴葉からの電話が掛る前に作り終えたグミの食事を、トレイに乗せてラップを掛けた。

 それを、ミレが離れのグミの所まで運ぶのが日曜日のミレの仕事。 


「余計なことをするなよ。お前が何かしようとするものなら、問題が起きるから。」

 「余計な事じゃないわ・・・・・・ミレ、階段に気を付けてね。」

 「はい。」 

家族の食事をテーブルに置きながら、ハニは琴葉から聞いたスングが自分の部屋に入れた女の子の事が気になって仕方がない。

 「私・・・・・琴葉さんの所に行ってこようかしら。」

 「今オレが言った事を聞いていないのか?余計なことをするなと言っただろう。」

 「だってね・・・・スングが心配なんだもの。」 

パンと叩きつけるように新聞を置くと、フィマンが驚いてスンスクにしがみ付いた。 


「スングは小さな子供じゃないんだ。大学生とはいえ、もう立派な大人だ。」 

うずうずとしている心が治まる気配もない。

 スンジョが言う事は十分に判っているが、6人の子供が独立した今、まだこれから結婚をするスングが運命の人に出会う事しか今のハニには楽しみがない。 

「相手の女の子、スングの半分しかない小さな女の子だって。あんなに背の高いスングが何かしたら、女の子が逃げる事が出来ないでしょう。」

 「スングの半分しかない女の子って、幼稚園児か小学校低学年か?」 

「同じ年の大学生・・・・・・」 

「なら大人だ・・・・スングは、お前よりも分別のある子供だ。スンスクもミレとフィマンと出かけないといけないから、食事を早く食べ始めなさい。」 


スンジョがこういう風に食事を急がせる時は、機嫌が悪くなってきた証拠だ。 

ミレとフィマンは小さく手を合わせて、食事を口に入れ始めた。 

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

0コメント

  • 1000 / 1000