未来の光(スング) 84
「はい、はい・・そうですか・・スアちゃんも元気・・・判りました、お母さんに伝えておきます。」
ミアは受話器を静かに置くと、ウンジョの方を向いた。
「生れたって?」
「お兄さんたちが病院に着いた時に生れていたんですって。最初に生まれた方が・・・」
「最初にって・・・」
「双子だったんですって。」
「双子・・・・双子が双子を生んだ・・・・ぁあ・・そんなこと言ってないで、お袋が起きていたら知りたいと思うから、離れに行って見て来てくれないか?」
ミアは急いでグミの部屋に向かった。
天井灯をハニが消して出掛けても、新しい命の誕生が気になって、寝付けられなかった。
「パパ、ギドンさん・・そしてハナさん、ハニちゃんの孫がまた生まれるのよ。私がまだ結婚していないスングの赤ちゃんが生れるのを見て、そっちに行ったら教えてあげるわね。とてもスンジョもハニちゃんも幸せで、すごくいい子供たちに恵まれていい伴侶に恵まれて、沢山の可愛い孫を私達に・・・・・・こんなに幸せな瞬間を一人で独占してごめんなさいね。」
小さなノックの音が聞こえて、グミは静かに身体を起こした。
「ミア?ウンジョ?」
「ミアです・・・入ってもいいですか?」
「いいわよ。眠れなくてね。生まれたの?」
「はい、最初に女の子が生れて、次に元気な男の子が・・・・」
「まぁ・・双子だったの?でも今度は女の子が先だったのね・・・・・」
スアが戻って来るのを病室で待つハニは緊張をしていた。
初めての孫ではないけれど、破水をして緊急オペになったのは自分の時を含めて初めての事だった。
廊下をカラカラと車輪が回っている音が聞こえて来て、静かにドアが開いた。
「サン・・・オンマ・・アッパ・・お父さんとお母さん・・ただいま。」
意外と元気そうなスアに、ハニだけではなくサンもサンの両親も安心した顔をしていた。
スアが病室に戻って来ると、サンの両親は挨拶をして帰って行った。
「サン君も家に帰っていいよ。アッパもオンマも来てくれたから。明日、日勤の後続けて夜勤だから、ちゃんと眠らないと病気になっちゃうから。」
「そうだね。お父さんお母さん、先に失礼します。」
名残惜しそうに、サンはスアと別れて家に帰って行った。
「双子って、いつから知っていたの?」
「結構前から・・・・」
「ちゃんと言ってくれないと。スングとスアを生んだ時、予定よりも早く生まれたのよ。判っていたらアッパと旅行はしなかったわ。」
スア達を生んだ時は経産婦だったから早産になる可能性もあった。
スアは初産婦。
経産婦と違うことは判っていたが、双子が生まれる事をスアがスンジョにも言わなかった事に、ハニは何も知らず旅行をしていた事に後ろめたく感じた。
「言えなかったの・・アッパ、仕事が忙しくて・・凄く大変そうで、とても疲れて見えたから。どこか病気じゃないのかと思ったの。」
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