未来の光(スング) 86
スアが生んだ双子の名前は、女の子はアン、男の子はサンウと名付けられ日々成長する姿にグミも楽しみにしていたが、体力は徐々に落ち横になっている時が多くなっていた。
「お母さん、食事を持って来ました。」
離れのテラスのベンチに座っていたグミは、愛する長男の嫁が来るのを待ちわびていた。
「いつもありがとう・・・」
食べごろの温かさの食事は、食べやすいようにハニが小さくカットしていた。
「スング達は何時くらいにこっちに来るのかしら。」
「まだスンジョ君から連絡はないですけど、予定通り飛行機は離陸したみたいなので夕食は一緒に食べられますよ。」
柔らかくよく煮込んだ食事を、毎日ハニはグミの為に作っている。
同居を始めた頃から自分に美味しい食事を作ってくれたグミの為に、本を買って高齢のグミが食べられるように時間を掛けて作っていた。
「私の為に優花さんのご両親も来てくださるなんて、本当に良い方達のお家の家族になる事が出来て、ハニちゃんもスンジョも安心よね。」
「本当に・・・・・」
寂しい気持ちはハニだけではなく、グミも同じだった。
大学一年に婚約はしたが、両家の日程が合わず結婚は延びて結局は大学を卒業してからになってしまったが、思っていた以上にグミが元気でいてくれたから、スングと優花の結婚式に参列する事が出来
た。
「そう言えば、お母さんに伝えるのを忘れていました。」
ハニはグミの食事と一緒に持って来た、一通の封筒を思い出した。
「まさか・・・・」
「はい、アンとサンウは無事にパラン小学校に合格できました。」
「スアもよく頑張ったわね。双子のアンとサンウを生んだのに、また双子を妊娠して・・・今回はツワリが酷いと言っていたから、公立にすれば良かったのに、自分たちや姉たちの子供と同じようにパランに入れて。」
「みんなスンジョ君の血を引いていますから頭の良い孫たちで・・・」
グミが食べ終えた食器を下げて、温かいお茶を出すと、美味しそうにまたグミは口に入れた。
「パラン小学校は、頭で入るのではないのよ。性格がいい子じゃないと入れないの。それなのに不思議よね、スンジョの性格は決してお世辞にもよくないのに・・・・・外面がいいだけで。」
スンスクとミレとフィマンと同居はしていても、スンスクは学校から帰ると授業の資料作りで部屋か裸出て来なく、ミレとフィマンも部屋でいつも本を読んでいて、グミとスンジョとハニといる事が多いリビングと離れはいつも静かだった。
「ミレも春からはパラン高校の3年ね。ミラも天国で二人の成長を見ているのね。私が天国に行ったら伝えるわ。あなたが命を懸けて生んだ子はとてもいい子供よって。」
「お母さん・・・・」
「あら?私は大変な事をしたから地獄に行くかもしれないわ。」
「大変な事・・・ですか?」
「スンジョに女の子の服を着させて、性格を悪くさせたから・・・・ふふふ・・・」
「お母さんは天国に行きますよ。私の片想いを実らせてくださって、沢山の子供と孫を授けてくださったから。生まれる事が出来なくて亡くした子供も・・・・天国で私たちを見守ってくれるわ・・・・・」
家のガレージが開き、スンジョがスングと優花と優花の両親を連れて帰って来た。
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