思わぬ同居人 1
「スンジョ、実はな・・・・・・」
親父が早く帰宅した時に聞かされた話に、オレは自分の生活が大きく変わって行くことに伴い、運命も変わって行くような気がした。
「パパの古い親友で・・・・・ソウルに出て来る前の親友なんだけど。」
言い難そうにしている割に、なぜか嬉しそうな顔をしている。
「新築した家が震度二で崩壊して・・・・・・」
まさか・・・まさかな・・・・
「ずっと探していた親友なんだ。中学生の頃まで親友の母親にも随分と世話になってな、今度はその時の礼をするために同居することになった。」
親父の横で妙にウキウキしているお袋が気になった。
親父の簡単な話しが終わると、待っていましたとばかりにお袋が話し始めた。
「パパのその親友には可愛い娘さんがいるのよ。スンジョがまだ小さい頃に一度だけ会ったけど覚えている?」
「オレが覚えている小さい頃の記憶は3歳くらいからだけど、親父の親友の娘のことは知らないよ。」
「そう・・・・・そうよね。二人ともオムツをしていたのだから。」
全くこの母親は、いくらオレが一度記憶したことは覚えていても、オムツをしていた時の記憶があるはずもないだろう。
「そんなの覚えているというより、知るわけがないだろう。で?その子の名前って・・・オ・ハニって言うんじゃないのか?」
「スンジョ、知っているのか?」
「まぁ・・・・・・」
知っているも何も、数日前に初めて知ったバカな女だけどな。
見たからに頭が悪そうで、オレの嫌いな部類の女だ。
「どうしてオレにそんなことを聞くんだ?もう決めたんだろう?」
お袋が嬉しそうな顔をしているという事は、また親父はお袋の押しに負けたんだな。
「一応、若い・・・・同じ年ごろの男女が住むことになると・・・その年頃の娘に・・・・・・」
「安心しろよ。オレは女になんか興味がないから。親父の親友なら別にいいよ。読みかけの本があるから部屋に行くよ。」
その日の夜からお袋の張り切りように、良くない事が起きるような気がしていた。
ファン・グミが、また問題を起こすのじゃないかと。
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