思わぬ同居人 11
オ・ハニ お前のしたたかさは、天下一品だ。
ペク・スンジョの弱味であるブラックな過去を突きつけて、勉強を教えろだって?
「冗談じゃない!」
と言いたいところだが、あの写真を取り返さないと、とんでもないことになる気がする。
自分の平穏な生活を乱しておきながら、更にオレをイライラすることを仕掛けてくるオ・ハニが鬱陶しい。
何食わぬ顔で夕食を食べているアイツの顔を見ると、平穏どころか・・・何だよ嬉しそうな顔をして。
「おばさん、ごちそうさまです。」
「あら!ハニちゃんもういいの?テスト勉強なら少し休憩してから始めたら?」
「はい、でも少しで早い時間からやっておきたいので。」
そりゃそうだ。 お前の頭じゃ到底一週間で出来っこないのだから。
「・・・・今日から二人分を、ハニの部屋に持って来て。じゃあ、おじさん・・・親父お先に・・・・おい!行くぞ。」
お袋の嬉しそうな笑顔が癪に障るけど、お袋が一番いけないだろう。
オレの葬り去りたい過去の写真を、お袋の次に面倒なコイツに渡したのだから。
ところで何だ?
コイツは中学生の数学も出来ないのか? というより・・・・
「どこが判らないんだ?」
まさかとは思ったが、BINGO!
「スンジョ君・・・・・その・・・どこが解らないのか解らないの。」
やっぱりな。
こんな程度で一週間の間にトップ50位に入るように教えろだって?
冗談じゃない。
スンジョは呆れながらも、公式一つ一つを繰り返し教え始めた。
時間を掛けて説明すれば、コイツはそれを理解することが出来ている。
多分頭が悪いのではなくて、時間を掛けて落ち着いて教えれば勉強が出来ることが判った。
なら、コイツに教えるやり方は基本さえ理解できれば応用も出来るという事だ。
スンジョはハニに模擬問題を作成しながら数学を教え始めた。
英語はルビを付けて方法を少し変えて教えれば、呑み込みも早く50位以内も無理ではないような気がして来た。
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