思わぬ同居人 18
「お前・・・どういうつもりだよ。写真をネット公開して。何様だよ、家に友達まで連れて来て!」
人を怒鳴ったり、自分のイライラを人がいる前で感情を出したことに自分自身意外な気がした。
「そんなにお前は、オレの家に居候していることを広めたいのか?お前みたいなバカとオレが噂になるように、そんなにしたいのか?言っただろ、お前はオレにどれだけ迷惑を掛けているのか判っているのか?」
「お兄ちゃん、ハニちゃんが呼んだのじゃないのよ。帰るって言っていたのを私がせっかく来たのだから上がってって・・・誘ったのよ。それにハニちゃんたちから聞いたのだけど、写真が学校中に広まって噂になったのが嫌なの?写真を公開したのはハニちゃんじゃなくて私よ。一緒に住んでいるのをそんなに秘密にしたいの?」
ここは自分の家だが、ハニの友達がいなかったらハニが泣き出すくらいに怒りたかった。
「ブログを閉鎖してくれよ。」
スンジョはそう言ってクルッと背中を向けて、階段の方へ歩いて行った。
「ブログは止めないから、私の楽しみを続けてもいいじゃない。」
判っていた。
あの部屋で一緒に勉強した時に写した写真は、ハニがネットで公開したのではないと判っていた。
だけれど、自分の思いをハニにぶつけてもどうしようもないのに、ふつふつと湧いてくるこのイライラとしたものをアイツにならぶつけてもいいように思った。
トイレのドアが閉まり、水が流れる音がする。
あのドアの締め方はウンジョじゃなく、ハニだとわかる。
泣いているんだろうな。 友達の来ているところで、ハニにあんなにきつく言わなくても良かった。
どうしたのだろう。
こんな風に自分の感情を抑えることが出来ない事なんて初めてだ。
お前はいったいオレに何をしたんだ?
オレをイライラさせたり、やることが危なっかしくてハラハラさせたり。
結局ハニは夕食の間もずっと下を向いたまま、顔を一度も上げることはなかった。
「ごちそう様です。」
「あらハニちゃん、まだ残っているわよ。」
「食欲がなくて・・・・・・・」
「間食ばかりするからだよ、そんなに甘い物を食べると豚みたいに太るぞ。」
ハニに憎まれ口をたたくウンジョを、グミは注意した。
「ハニちゃん、デザートを用意するわね。」
「デザートは・・・・今日はいらないです。」
いつもはデザートを食べながらグミと話をするハニも、それさえも食べないで部屋に上がって、昼間にスンジョから言われた冷たい言葉に動揺していた。
窓を開けて机で本を読んでいると、開いている窓から風に乗って話し声が聞こえて来た。
「私だって、スンジョ君の立場ならきっと怒るわ。 」
そのことばはきっとハニの本当の気持ちだろう。
悪かったな・・・・相手に理由を聞いてから怒っても良かったのじゃないかとオレは思った。
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