思わぬ同居人 24
窓から射しこむ朝日に目を開けると、ミナもジュリもグミもすでに起きていた。
「今頃起きたの?」
憎たらしいホン・ジャンミンが着替えていた。
羨ましいくらいに出る所は出て、ウエストはキュッとしていた。
ハニはそんなつもりはなかったが、ジャンミンに言われて我に返った。
「ハニ先輩、一晩一緒に過ごしたらスンジョ兄さんより私に興味を持ったの?」
「まっ・・まさか・・・・・ねえ・・それ自前?」
「さぁ・・・気になる?そうよね、スンジョ兄さんに振り向いてもらうためにはその貧相な小学生並の体型じゃぁね。」
胸を強調させる服を着ているジャンミンが気になったが、いつかはこの身体でもいいと言ってくれる人が出てくることをハニは思っていた。
「ジャンミンも結構寝起きが悪いのね。」
ジャンミンはハニの方を向いて、嫌味な笑顔を見せた。
「あら!私はおば様よりも早く目を覚まして、スンジョ兄さんと朝の海岸を散歩したわよ。肩を抱いてもらってね!」
「肩を抱いて?」
「それじゃぁね・・・・ハニ先輩!お・さ・き・に!」
夕べのスンジョと二人っきりの海岸での思い出が、音を立てて崩れていくような気がした。
ハニは車から元気なく降りて、みんなが座っている朝食の場所に向かった。
「ハニちゃん、おはよう。良く眠れた?」
「ええまぁ・・・・・・・」
ジャンミンはスンジョの横にそこが自分の場所だと言うように座っていた。
「あなたが、そこをどいて!」
ハニと話す時とは声まで変えてグミは、スンジョの横に座っているジャンミンに冷たく言った。
「スンジョ兄さんの横が開いていたから、詰めた方がいいと思ったんですけど?」
「そこはハニちゃんの場所よ。家でもスンジョの横がハニちゃんの場所なの。」
さすがに黙って食事を始めていたスンジョも、母のその言葉に言い返したくなって来た。
「オレの横の席はウンジョでハニは向かい側だ。誰が横に座ってもいいだろう。」
グミはハニが関係してくるとどんなことがあっても譲ろうとはしない。
「いいえ、スンジョの横はハニちゃんと決まっているの。ハニちゃん以外の女とは口も利いてはダメ。」
「何をバカなことを・・・・・・それじゃぁ、彼女も作れないじゃないか。」
ハニはドキッとした。
ジャンミンが朝の散歩をスンジョに肩を抱かれてしたという話を思い出した。
「必要はないでしょ。あなたの結婚相手はもうすでにハニちゃんと決まっているのだから。」
バカバカしい。 お袋に付き合っていたらキリがない。
無視するか。
さすがに図々しいジャンミンでも、グミにあそこまで言われたら、何が何でも自分が隣にいないといけないわけでもない。
ハニはジャンミンが席を立つと、グミに言われるままスンジョの横に座った。
「手・・・大丈夫か?」
キョトンとしてスンジョを見ると、いつもの冷たい表情で朝食を食べていた。
「ぁあ・・血も止まったみたいで・・・ありがとう。」
「食事が済んだらお袋に消毒してもらえよ。」
「うん・・・・・あの・・・・・」
「なんだ?」
「朝・・・・ジャンミンと・・・・・散歩したの?」
「してない。夕べお前と話をしたから寝たのが遅くて、起きたのはさっきだ。」
ハニは急に安心して心のつかえが取れた気がした。
二人だけにしか聞こえない小さな声で話をしている様子を見ながら、グミはうれしそうに眺めていた。
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