思わぬ同居人 53
高校時代から変わらないハニのストーカー行為に、オレにしつこく纏わりついて来るユン・ヘラ。
女版ペク・スンジョと言われているけど、オレが女だったらあんな風に自分の能力をひけらかして、女であることを前面に押し出してアピールしていただろうか?
確かに、知識も豊富で話していても退屈はしないけど、ハニと違って・・・・
「ねぇねぇ・・サークルとか部活とかに入るの?」
「入らない。」
「入ろうよぉ~」
ギョンス先輩にもしつこく誘われていたな。
「高校時代も部活はしていなかったから、大学で入る気も無いよ。」
家に帰れば帰ったで、ハニは大学にいる時よりもしつこくオレに貼り付いている。
「どいて・・・トイレに入りたいんだけど・・オレと一緒に入るのか?」
ちょっとからかうだけでハニは顔を赤くして、見ているだけで飽きなくて楽しい。
大学でサークルに入ったり、部活に入ってキャンパスライフを楽しむよりもこっちの方が、オレにはあっている気がする。
「ところでさ・・・・理工学部であった彼女何年生なの?」
「彼女?」
「年上みたいだったけど・・・・」
ふっ・・・・
「妬いているのか?」
「ま・・・まさか・・・綺麗な人だなって・・・」
ハニがオレに関わる女の子に対して、妬いていないと言っても妬いているから聞いて来るのを知らないと思っているのだろうか?
「ユン・ヘラ。オレ達と同じ年だよ。次席入学。今年の新入生の間では女神と呼ばれているよ。」
「次席っていう事は・・・スンジョ君の次の成績ってことだよね。」
「そういう事になるな。オレが首席入学だから。」
そんなに悲しい顔をしなくても大丈夫だよ。
オレはユン・ヘラには、お前が思うような特別な感情は持っていなから。
ユン・ヘラには同士と言う感情しかない。
でも、そんな事は絶対お前には言わないし言うことはないだろう。
言ってしまえば、お前はもっとオレに関わる女の子に焼きもちを妬くのだから。
次の授業の合間に、スンジョは静かな木の下のベンチで本を読んでいた。
どうせ、どこにいてもハニが見つけて寄って来ることは判っていたが、本当にコイツは暇なのかと思うくらいにやっぱり今日もここに来るのか・・・・
「ねぇねぇ・・・どこか部活に入るの?」
「入らないって言っただろ・・・・・」
大学に入って素敵な人を見つけると言っていたのは誰だったんだと、言ってやりたいくらいだよ。
刺激的な大学生活を保障してくれるとは言ってくれたけど、お前が保証してくれると言う刺激的な生活はいったいどんな事なのか・・・
「スンジョ!やっと見つけたぞ。」
もう一人いたストーカーが。
オレをテニス部に誘っているワン・ギョンス先輩。
オレの周りにどうしてこうも、ハニと似たタイプの人間が近づくのか考えたくないけど・・・・・
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