思わぬ同居人 86
たった一日だけの弁当だと思っていたが、オレが見合いをしてもちゃんとハニは弁当を作り続けていた。
オレが仕事から帰るのを待って、夕食を温め直して食べ終われば片付けをして、眠るのはかなり遅いがいつも寝坊をしていたハニが、朝早く起きて弁当を作ってくれた。
もしかしたら、寝ないでそのまま作っていたのかもしれない。
「玉子焼きに殻が今日は四つ入っていたぞ・・・・味は良くなったが見栄えは相変わらずだな・・・・・から揚げは揚げ過ぎだぞ・・・・・それでも、どれも美味いとは言えないけどお前の気持ちが込められて、午後から仕事を頑張れる。」
新婚ごっこを楽しんでいるとウンジョに言われて、否定をしていたハニはまだ最近の事。
疲労回復だと言って、ニラや大蒜に生姜をこれでもかと言うくらいに使っていたが、決して美味しくはないが、ハニの気持ちと努力が可愛くも思えた。
堂々と、ヘラの様に恋人気取りのメールをよこすことよりも、一生懸命に作ってくれたハニの弁当の方が嬉しいと思うのはおかしいだろうか・・・・・
少しずつ会社に慣れて来たスンジョは、開発室の仕事を知りたくて、打ち合わせから参加してスタッフの意見を聞いて頭にインプットした。
意見を求められれば、判る範囲で応え、少しずつ空気に馴染んでいた。
プレゼンに合わせて作り上げたゲームのソフト。
キャラクターデザイナーの原稿が出来れば、試験的にソフトを作成して変更が無ければ、パッケージなどの印刷から始まり試験的に一点だけ完成をさせた。
そこまで出来れば、クリスマス用品として、後は市場に出してどれだけの反論があるのか調べないといけなかった。
会社で仕事をしていれば、ハニのあの泣き声を忘れる事が出来た。
0コメント