思わぬ同居人 123
指輪もドレスも決まると、ハニはまた前のように無邪気な子供のような笑みを浮かべていた。
この表情がオレは好きだ。
思いもよらず同居になった、面識もないハニ。
面識が無かった事はないな、その数日前にハニからラブレターを貰っていたから顔は知っていたな。
まさかの震度2の地震で新築の家が崩壊して、たまたま親父がそのニュースを見て、ずっと探していた親友だとかで、テレビ局に聞いて連絡が取れた。
思いもよらず同居になったが、思いもよらない震度2の自信で新築の家が崩壊する。
お袋やハニが言う様に、オレとお前は運命だったのかもしれない。
大嫌いなタイプの女の子が、自分らしさを無くすほどに好きになるとは思ってもいなかった。
「いい天気だから、少し歩きたいと言ったけど、本当に気分が爽快!・・・うん、そうかい・・・なぁ~んて。」
くだらない事を言っているくらい、今のハニの気持ちは足が地についていない証拠だ。
「古いダジャレだ・・・・で、司会はギョンス先輩に頼むことにする。」
「うん。」
「時間が無いからな。それにプロに頼むよりも、気楽でいいと思う。」
「ギョンス先輩が司会なら、きっといい感じになるよね。」
オレ達で式をどういう形にするのかを任せるとお袋は言っていたけど、何か引っ掛かる・・・・任せると言っていた割に、打ち合わせには一緒に行きたいと言っていた。
「ねぇねぇ・・・新婚旅行はどうするの?オーストラリア・・か、ヨーロッパ・・・・」
「時間が無い。」
「じゃぁ、じゃあ・・・・近い所で・・・沖縄・・とか?」
「この時期、いくら親父の会社の名前を使っても、予約を取るのは難しい。」
オレはお前と行くならどこでもいいけどな。
「じゃあ、島がいい・・・済州島とか・・・」
「汝矣島。ここも島だ。」
「島が付くだけで、ソウルじゃない!そうじゃなくて・・・んもぅ!」
スンジョはポケットから携帯を取り出した。
「ほら、こうして振って絵柄が3つそろったらお前が行きたい所でいい。」
携帯を振るとカラカラと音を立てて、絵柄が揃う事を見せると、スンジョはハニに携帯を渡した。
張り切って携帯を振って閉じていた目を開けると傘のマークが3つそろっていた。
そんな子供じみた柄合わせゲームに大喜びをするハニを見てスンジョはニヤッと笑った。
ハニから返してもらった携帯を振ると、簡単に絵柄が3つそろう。
それを何度やっても同じ絵柄になる。
スンジョが絵柄が揃うように設定したことなど、ハニは知らないしスンジョはハニに対する想いと同じように教える事もしない。
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