思わぬ同居人 129
スチャンとギドンの仕事関係や、グミの知人たちの挨拶が終わると、パラン高校1クラスで一緒に勉強した友人たちが近づいて来た。
スンジョに友人がいた事に、本人がもしかしたら一番驚いたかもしれない。
「よぉ!」
「来てくれたのか。」
「高校時代に同じクラスで勉強をした仲だろう。留学したヤツや入隊したヤツもいるし、さすが女子は来たくないって言うから、オレ達だけしか来られなかったけどな。」
「そうか・・・・急なのに悪いな。」
「クラス会の時に、お前のハニを見る目が高校時代と変わっていたから、付き合っているのかと聞いたら、否定したけど・・・やっぱりと言う感じで驚きはしなかったよ。」
オレだけがハニへの想いに気が付いていなかったのか・・・・・
「じゃ、オレ達は向こうに行っているよ。」
「ありがとう。」
スンジョの言った<ありがとう>と言う言葉に一瞬驚いたが、<新婚旅行、頑張れよ!>と声を掛けて離れて行った。
高校時代の恩師、ソン先生夫妻もオレ達が卒業してすぐに結婚をし、もうすぐ子供が生まれると話していた。
先生たちもオレとハニと同じようによく言い争っていたが、それも懐かしい思い出になっていた。
大学の友人や、テニス部の仲間に先輩。
人との付き合いが苦手で、いつも個人行動をすることが多かったオレに、結婚のお祝いを言ってくれる仲間たちがいた事は、ハニのお蔭かもしれない。
ハニからラブレターを貰って、こっ酷く振ったのは高校時代の友人たちは知っていたし、大学に入ってからもハニに冷たくしていた事を知っている大学の友人たち。
みんなから良かったなと言われて、本当にオレにはハニが似合っていると思っていたのは、お袋だけではなかったのだ。
遠巻きに見ているジュングの視線に気が付いた。
スンジョからジュングに近づこうとすると、ジュングの方から近づいて来た。
「来てくれたのか・・・・」
「当たり前やないか。ハニの気が変わってオレと結婚すると言うかもしれんから、その時のために待機しておくんや。」
ジュングとはハニの事を好きだと判ってから気まずい関係ではあったが、こうして来てくれたことに気持ちは少し楽になった。
「結婚しても、ハニを泣かせたりしたら、お前を許さんからな。」
「肝に銘じるよ。」
ジュングの想いをオレが受け継いで、ハニを泣かせたりしないで一生大切にするよ。
ギョンスの呼びかけに式が始まる知らせを聞くと、参列者たちは着席をしスンジョは雛壇に立って姿勢を正した。
ウエディングマーチが流れると、気持ちを引き締めるように小さく深呼吸をした。
「さぁ、参列者のみなさん、新婦の入場です。拍手で迎えてください。」
入場扉が開いて、ウェディングドレスを着たハニが、ギドンと一緒に一歩会場の中に足を踏み入れた。
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