思わぬ同居人 135
「ねぇ・・・・」
「ん?」
「あのね・・・・」
「ぅん・・」
「ねぇ・・」
「・・・・」
「ねぇ・・・・」
「・・・・」
「ねぇったら・・・・」
「なんだよ!」
「あのね・・・」
「だからぁ・・何だよ!!」
「ぅっ・・・・・・」
「はっきり言えよ!」
「怒んないでよ・・・」
「怒ってないよ!」
「怒ってる・・・・」
「怒っていないって言っただろう!言いたいことがあれば、はっきり言えばいいだろう。」
ハニが言いたいことは大体見当が付いている。
だけど、こっちからこうだろうとか言う気もないし、言いたい事が言えない奴じゃない。
言いたい事が言えないのは、オレがハニ以外の女と親しくしているように見えて、それを聞きたいけれど聞けない時くらいしかない。
「これからスンジョ君のことを、何て呼んだらいいの?」
やっぱりな。
そんな事だと思ったよ。
「お好きな様に。」
真っ赤な顔をして、口を金魚が水面に顔を出してパクパクしているように、ハニは声を発する事も出来ずにいた。
「じゃ・・・・オレから・・・よろしくな奥さん!」
「お・・・奥さん・・・・」
「オレが奥さんと言ったら、ハニはオレの事をあなた・・とでも言えば?嫌なら、今までどおり、ハニと言うけど?」
「それなら・・・・あ・・・あ・・・あ・・・う~~~やっぱり急には言えない・・言えないからスンジョ君と言うから、スンジョ君も今までどおりハニと呼んでください。」
そんなくだらない事を一生懸命に考えているハニは可愛いオレの奥さんだ。
スンジョとハニの甘い空気が流れる中、それを邪魔するように甲高い品のない声が聞こえた。
「あら!あなた達ここなの?偶然ね、私たちは隣の部屋よ。」
甲高い声の女は、さっき会った派手でハニもオレお好きにはなれない女だった。
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