思わぬ同居人 137

「何か、私達って運命を感じない?」

 親しげに話すこの女は、自分と一緒にいる旦那を放っておいて、オレにワインを勧めたりテーブルの上に置いたオレの手を握って来るわ・・・・・一体何のつもりだよ。 

そっちも新婚旅行なら、こっちも新婚旅行だよ。

 「あなた達まだ若いみたいだけど、いくつなの?彼女の方は高校生・・・・じゃないわよね?」

 「私もスンジョ君も、21歳で大学生です!」 

「21歳!!そんなに早くに結婚するなんて、もしかして?」

 探るように、ハニを見下げる様な嫌らしく見ているその目に、さすがに大人しくしていようと思っているオレも切れそうになって来る。 

「な・・な・・・・変な目で見ないでよ。私たちは・・・そんな・・・」 

「ふふ・・・冗談よ、冗談。今どき何もしないで結婚をするなんて、信じられないけど・・・あなたが彼の奥さんなら納得がいくかも・・・・」 

今どき、結婚まで何もしないのが信じられないだって?

 発情期の獣のメスみたいな女だ。

 ハニは、お前みたいな発情期のメスと一緒にするな。 


やたら絡んで来る女にスンジョは気が付かなかったわけではないが、ハニは自棄になってワイングラスに注ぎ入れられたワインを一気に飲み干していた。 

「そんなに一度に飲むな。」

 「ふふ・・・・ワインの飲み方も知らないの?」

 「知りませぇ~ん。なぁ~んにも知りませぇ~ん。」

 駄目だ、ハニのヤツ完全に酔っぱらって・・・・このままでは・・・ 

「飲み過ぎだ・・・そんなに飲んだら・・・・」 

スンジョの心配が当たった。 ハニはスンジョが取り上げたワイングラスを取り戻そうと腕を伸ばした時に、そのまま床に倒れ込んだ。 


「まっ・・・・倒れちゃったわ。」

 女の蔑むような言い方に腹が立って、怒鳴り散らしたい気分のスンジョだったが、とにかくハニを起こして部屋に戻らなければいけなかった。

 ハニが倒れたのに気が付いた、ホールスタッフが心配そうに駆け寄って来た。 

「お客様、大丈夫ですか?常勤の医師を呼んでまいりますので・・・・」

 スンジョはそれを止めた。

 何も知らない医師にハニを診てもらうことも無く、アルコールで倒れたハニの状況くらい自分が診てもいいくらいの知識はあるのだから。 


「それには及びません、私はまだ学生ですが医学を勉強しています。」

 「まぁ!医学生なの、顔も綺麗で医学生なんて、素敵だわ。」

 何が素敵だ! お前の所為で、オレとハニの最初の大切な夜が台無しだ。 


スンジョは、倒れたハニを抱き上げてその場から離れて行った。


ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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