声を出して 3

スンジョ君の臭いがするベッドに入って、好きなアイドルが載っている雑誌を開いて・・・・・怒るかな?

 スナック菓子を食べたら・・・・・ 

「ハニ、入るぞ。」 

バンッという音で、ハニは口に入れようとしていたスナック菓子を布団の上に落とし、ビックリして飛び起きた。 

「お・・・お前・・・・熱があって学校を休んだと言うのに、オレのベッドで寝ころんでスナック菓子を食べて、アイドル雑誌を読んで・・・・・熱があるのなら大人しく寝ていろ。」

 よかった。 

お菓子を落としたのに気が付いていない。

 コッソリと・・・・ 


「落した菓子は拾って行けよ。細かい欠片も全て・・・・」

 「判ったの?」

 「判るに決まっているだろう。部屋を開けたら匂って来るのだから。それと・・・・熱がないのなら自分の部屋に戻れよ。ウンジョがお前の部屋で青い顔をしている。」 

ジャケットを脱ぎながら、ウォークインクローゼットに入って行ったスンジョの後姿を見ながら、ハニは一人でニヤニヤと笑っていた。 

結婚をしたら、こうして帰って来たスンジョ君を見る事が出来るのだと思うと、嬉しくて仕方がない。

 早くこっちに帰って来て、私に顔を見せてと両手を合わせてひたすら念を送ると、タイミングよく戻って来たスンジョと目が合った。


 帰宅して着替え終わったスンジョは、ベッドの端に膝を付いて人には見せられない顔をして話しかけた。

 「さっきからオレの顔を見ているけど、いったい何をしたと言っているんだよ。」

 「別に・・・・・スンジョ君だけがしたわけじゃないから、気にしないで。」 

気にしないでと言って気にしなくてもいいわけでもなく、意味も分からずにニヤニヤと笑うハニに少しイラッとしていた。


「悪かったと思っているよ。傘を忘れて出掛けたハニを迎えに行ったのだから、濡れた身体を温める為に早く家に連れ帰らなかったのはオレの責任だ。でも、それとは関係ないと思う・・・お前が突然倒れたのは、元々風邪気味だったからだろう。」

 「そうかもね・・・・・風邪気味だったところに、スンジョ君がキスをして、家族の前で結婚宣言をして・・・・・思ってもいない行動に身体全体が驚いて、緊張の糸が解けた時に倒れたのかもしれないね。」

 そう、ハニはスンジョに迎えに来て貰った一昨日の夜、雨の中で想いが通じ合ったキスをして天にも昇るくらいに舞い上がって帰宅した。

 そのまま、スンジョは親たちの前でプロポーズをした。 


ハニと結婚がしたい

 自分の横にいる人は、ハニ以外考えられない 


その言葉が、繰り返し聞こえているのに、それを消して行くように耳から聞こえる音がすべて消え、気が付いた時は自分の部屋のベッドの上にいた。

 あの目を開けた時に見たスンジョの不貞腐れたような顔が、ハニは面白くて仕方がなかった。 


「オレが何かしたのか?」

 「別に・・・・」

 片想いで叶う事がないと思っていたスンジョ君への想い。

 スンジョ君を近くで見る事が出来るのは、これからは私だけの権利だと思うともう嬉しくって・・・・

 「さっきからオレの顔を見ているけど、いったい何をしたと言っているんだよ。」

 「別に・・・・・スンジョ君だけがしたわけじゃないから、気にしないで。」

 気にしないでと言ったけど、家に帰って寛いでいるスンジョ君の姿を見る権利があるのも、私だけ・・・・ 

人に頭を下げないスンジョ君が、頭を下げるのも私だけ・・・


 ハニと結婚がしたい 

自分の横にいる人は、ハニ以外考えられない 


こんな風にドッキュ~ンとする言葉を掛けるのも私だけ。 


ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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