声を出して 5

リビングのソファーで、カットフルーツを一人で食べているグミは、何かを思い出しながら笑っていた。 

「静か・・スンジョとハニちゃんは部屋で何をしているのかしら・・・・結婚宣言をしたのだから・・・・体型が変わる前にお式を挙げた方がいいかもしれないわね・・・」 

カットフルーツを頬張りながら、別の空間を見てひとりで笑っていると、急に現実の世界に引き戻された。 


「おばさん、ウンジョ君とスンジョ君が部屋に入ってしまうと、家の中は静かになってしまいますね。」 

「あらっ!ハニちゃん、お兄ちゃんと・・お兄ちゃん、何もしなかったの?」 

ハニはキョトンとした顔をしたが、はっきりと答えた。

 「知恵熱みたいなものですから・・・今までスンジョ君が私の事を好きだとか言った事がなかったから・・・・」 

「そうじゃなくて・・・・ぅうん、聞かなくてもいいわ。そうね・・・・ハ二ちゃんは、古くから伝わる伝統的なお式と、洋装のウェディングドレスとどっちが好き?」 

「断然、ウェディングドレスですよ。伝統的なお式も悪くはないですけど・・・・芸能人とかの結婚式の写真を見ると、やっぱり白いウェディングドレスに憧れます。」 


なるほど・・・と言った顔でうなずくグミは、ハニの話を聞きながら別の事が頭の中で少しずつ形を作り始めていた。

 声を出してハニにその計画の一片でも言いたいが、それを言ってしまえばスンジョの耳に入ってしまう。 

ここは声を出さないで水面下で進めて行くしかない。

 何が何でも自分の夢を実現するまでは、絶対に声に出して言ってはいけない。

 今はハニちゃんと嫁と姑ではなく、母と娘のようになってスンジョが考えている事を聞き出し、何かあった時の為にハニちゃんを私のみかたにしないと。 


「ところで、大学の方はどんな感じ?」

 「どんな感じって?」

 「試験だとか、絶対に出ないといけない補講があるとか・・・・4日くらい休んでもいい日はないかしら?」 

ちょっと待ってくださいと言って、ハニは自分の部屋に行って急いで手帳を持って来た。 


「おばさん、来週は社会科学部も医学部も補講があるのですけど、再来週の水曜日からは休みですよ。水・木・金・土・・・・ちょうど4日ありますし、日曜日も含めれば5日間も休みです。」 

「そう~ありがとう・・・じゃぁおばさんは少し出掛けるわね。ハニちゃんも熱が下がったみたいだし、お夕食の準備の時間までには帰って来るから。」 

食べていたカットフルーツを、ハニにも食べてと言ってグミは嬉しそうに出掛けて行った。 

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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