声を出して 54

「ハニ・・・ハニ・・・」

 「ぅ・・・・ん・・・・」 

何度も起こしても、ハニは全く起きない。 ミナは、大きくため息を吐いた。

 「ミナ、交代しようか?」

 着替えが終わったジュリは、ミナの肩を叩いてハニを起こすのを交代した。 

「ミナは起こし方が優し過ぎだよ・・・・・・・」

 ジュリは深呼吸をしてニコッと笑うと、ハニの耳元に囁いた。


「ハニ、ペク・スンジョが、結婚が嫌だと言って逃げ出した・・・・」

 「えっ!」

 ジュリのたった一言で、何度ミナが起こしても起きなかったハニが勢いよく起き上った。 

まさか、こんなに簡単に起きるとは思ってもいなかったジュリとミナは一瞬固まったが、ハニの勢いが予想以上だったのがおかしかったのか、ふたりはお腹を抱えて笑い出した。  


「どうして笑うのよ。スンジョ君が・・・・?」

 「嘘だよぉ~」 

「嘘・・・」 

「ハニったら、何度起こしても起きないんだもん。おばさんが、ギリギリまで寝かせてあげてと言っていたけど、ちゃんと朝ご飯を食べて出すもん出さないと、お式の最中に『トイレェ~』は行けないからね。」

 「昨日眠れなかったから、ちょっと寝過ごしただけじゃない・・・・・ミナ達はもう食べたの?」 

「そりゃぁ・・・私達は自分で着付けとかしないといけないから。髪のセットはジュリがやってくれるから、ハニと一緒に式場に行く約束じゃない。」 


ハニはミナとジュリとグミと先に結婚式を行うホテルに行く事になっていた。

 式場まで着て行く洋服に着替えると、急ぎ足で部屋を出ながら簡単に髪の毛を結んだ。

 興奮と緊張でギドンに進められて飲まなければ、きっと朝まで眠れなかった。 

ほろ酔い加減で布団に入ると、数分で眠りに着く事が出来た。 


「おはようございます・・・・」 

「あら、ハニちゃんおはよう・・・もう少し眠っていてもいいのに。」

 「いえ、食べて少し体を落ち付かせないといけないから。」 

チラッとスンジョを見ると、いつもと同じ様子で食事をしているが、何だか気恥ずかしい気持ちがした。

 「スンジョ君、おはよう・・・」

 「おはよう。」 

何か特別な事でも言ってくれるのかなぁ・・・と思っていたが、そこはやはりスンジョだ。 

どんな事が起きても、何が起きてもいつもと変わらない。 

特別に変わったことを言ったりしないことくらい判っていたが、なんだか少し淋しい気がした。 

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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