声を出して 56

控室に案内されて、そこに用意されているウエディングドレスやアクセサリーを見ると、本当に私は結婚をするのだと実感をした。 

「ハニちゃん?」

 「お・・・おばさん・・・・涙が出て来ちゃった・・・」

 「綺麗よ・・・今日のハニちゃんとその涙は。」

 ハニは頬に流れた涙を手で拭うと、今までで一番明るい笑顔になった。 


「じゃ・・・私達は、向こうの部屋で着替えて来るね。」

 「いつか、私も花嫁さんのヘアメイクが出来るように、後から見に来るね。」

 ハニに手を振って、ミナとジュリは参列者控室に向かった。

 花嫁・・・・ ジュリに言われて、また本当にスンジョ君の花嫁になる日が来たと思った。

 夢にまで見た・・・ううん・・夢で見るだけで満足していた夢のような、絶対に叶う事のないと思っていたスンジョ君の奥さんになる。

 結局、私はスンジョ君と両想いになって、ペク・スンジョの恋人として過ごした事はなかったけど、行き成り奥さんになった。 


「ハニちゃん、トイレに行っておいた方がいいわ。私も、控室に行って美容師さんにヘアメイクをして貰って着替えたら来るわね。」

 「はい、おばさん。」

 グミはニッコリと笑って、ハニの手を取った。

 「ハニちゃん、今日からはお義母さんと呼んでくれる?あなたは、今日から我が家の嫁になったのだから。」 

少し気恥しい気もしたけど、こんなに早く夫になる人の母親にそう言う事が出来るとは思ってもいなかった。 


「お・・・・お義母さん・・・・」

 グミは嬉しそうに微笑んで、ハニを抱きしめた。

 「ありがとう・・・スンジョと結婚をしてくれて・・・幸せになるのよ。それがハニちゃんのお母さんとお父さんの夢でもあるのだから。」

 ママ・・・私の成長を見ることなく亡くなってしまって。 

パパと一緒にいるのが普通の事だと思う人もいるけど、私はその普通の事が出来なかった分、他の人以上に幸せになりたい。 


「花嫁さん・・・・着替えをしましょうね。」

 ホテルスタッフに声を掛けられると、椅子に腰かけて髪のセットとメイクを美容師が始めた。  

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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