声を出して 62

ポツンと一人で花嫁控室にいると取り残されて寂しいというよりも、正面にあるデジタル時計の数字が式の開始が刻々と近づいて来るのがわかり、心臓がバクバクとして来た。

さっきまでは、式が始める前に新婦を見に来た人で緊張はしていてもそれほどドキドキはしていなかった。


キィッと言う音がして静かにドアが開くと、ウンジョがヒョコッと顔を覗かせた。

「ウンジョ君!」

「よぉ!」

まだ小学生なのに、ハニに欠ける言葉や仕草が少しずつスンジョに似て来た。

そんなウンジョにハニはニコッと笑うと、少し照れたように近づいて来た。

「寂しがっていると思って来てやったよ。」

「へへェ~イ、本当は退屈していたんでしょう!」

図星なのか、少し顔を赤くしながら近くにあった椅子をハニの横に持って来て座った。


「ハニが緊張していると思って、来てやったんだよ。」

クスクス笑うハニに、ウンジョは妙に緊張した顔でボソッと囁いた。

「お兄ちゃんが結婚することを決めたから、仕方がないけど・・・・・・今日からよろしくな・・・・」

今までと変わらない生活でも、ウンジョなりにけじめをつけたのだろう。

ハニも勿論その事は判っていた。

「こちらこそ、よろしくね・・・・弟君。」

「姉さんとまだ認めていないよ。」

ウンジョのその一言が、冗談だという事は判っている。

ペク家にお世話になってから、意地悪を言ってもそれはそれでまだ子供のいじめっ子のようなものだった。


「もうすぐだな・・・・」

「言わないでよぉ~緊張しているんだから。」

「その緊張を忘れるくらいにお前が喜ぶ情報を、結婚祝いに教えてあげようか?」

「良い事?」

「耳を貸せよ・・・・」

ウンジョはハニの耳に、結婚祝いと言う喜ぶ情報を囁いた。

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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