スンジョの戸惑い 2

テスト前に、ギョンス先輩がオレを拉致するようにして下宿に連れて行かれて、DVDを見たのがいけなかった。

スンジョは読み違えた、ギョンス先輩の思った以上のしつこさに。

あれからも、スンジョを探し出しては何かと下宿に連れて行こうとする。

断ろうものなら、あのDVDのことをみんなに公表すると脅迫して来ては、またアダルトDVDを無理やり見せる。

「今度はどんなの何ですか?」

「おお、良くぞ聞いてくれた。お前が女に興味が無いと聞いたから、探しに探し回って見つけたのがこれだ!」

「僕の秘密?」

スンジョが空箱のタイトルを読むと同時に映像が流れ始めた。

スンジョはそのDVDの映像が流れ始めると、誰が見ても判るくらいに顔色が変わって来た。

「スンジョ、この美少女は女の子に見えるか?見えるだろ?本当はな・・・・・・美少年なんだ。産まれた時から、この少年の母親が、女の子が欲しくて産まれた息子に女の子の格好をさせていたんだ。周りから可愛い可愛いともてはやされて、いつしか女装が趣味の粋を超えて、カミングアウ・・・・・?ん?どうした?」

スンジョは、ワナワナ震えるのも押さえが効かなくなり、スクッと立ち上がると無言でギョンスの部屋を出て行った。

「おい、ギョンス。どうしたんだスンジョ。」

「さあ・・・・・この美少年、スンジョに似てないか?」

「そういえば・・・・・そっくりだ。」

スンジョは、1階のレンタルビデオ店の店長の方まで歩いて一言言おうとした時、また何か視線を感じた。

いつものように見えるのは、栗色の長い髪の毛・・・・・・チラッと今日は顔が見えた。

ホワンとした顔の女の子。

お世辞にも頭がよさそうには見えない。

だけど、その女の子の顔を見ていたら不思議とさっきまでの怒りが治まって来て、そのまま何もレンタルをすることなく店を出て行った。

いつも家に帰る途中まで付いて来るその視線の持ち主の女の子。

決まってある所で消える。

いつもここで消えるな・・・・

ソ・パルボクと言うククスの店。

ハニー's Room

スンジョだけしか好きになれないハニと、ハニの前でしか本当の自分になれないスンジョの物語は、永遠の私達の夢恋物語

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